女からの恋愛相談へうなずくAIになるくらいなら男は今すぐ家へ帰れ

こんにちは、トイアンナです。今日はジェントルメンへ広く伝わっている、「女性からの恋愛相談はうなずくだけでいい」という定説をひっくり返すために筆を執りました。

そもそもビッグ・バン理論のように広まってしまったこの仮説、背景にはさらに手ごわい前提があります。「女は悩み相談へ解決策じゃなくて共感が欲しいだけだから」というアレです。何を隠そう、この仮説をしたり顔で広めたのは女性であり、何なら私も若い頃はこれを信じてやまない人間だったのです。

 

女性は親しくない人間と共感ベースで話しているに過ぎない

女性自身すら誤解している「女は共感してほしいのよ仮説」は、いったいどこに過ちがあるというのでしょう。答えは「親しさ」という尺度を忘れていたことです。

女性はあまり親しくない相手へ反論することを好みません。男性だって、わざわざ初対面の相手に喧嘩を売ったりはしないでしょう。男性なら仕事内容を聞いて「その仕事、面白そうですね!」と無難に盛り上がります。

ところが女性の場合は「働いているかどうか?」すら危険球です。相手は家事手伝いかもしれないし、専業主婦かもしれません。もちろん男性にだって無職はいて「お仕事なんですか?」は危険ですが、女性の方がそのリスクは大きい。

となると女性同士で「とりあえず無難な話題」として選ばれやすいのが恋愛、それもささいな恋愛相談です。

「今の彼、結婚したいって言っても今はまだって言ってて。でも私もういい年だし、これでうっかり結婚し損ねるくらいなら別れて婚活した方がいいのかな?」

なんていう相談は「その気持ちわかる、つらいよね。どうしてこう将来に計画性ない人が多いのかなって思うよね!でも彼氏さんって他はいい人なんでしょ? いいじゃん私なんて〇年彼氏いないよ~?」などとゆるく返しやすい。というより、ゆるく返せそうな恋愛相談をするのも、そこへ共感ベースで返礼するのもマナーの一部です。

男性が「御社って裁量権も大きいし、海外赴任もさせてもらえるんでしょ? 羨ましいなあ、弊社は係長になれるのがようやく35歳で」なんて謙遜して返すのと同じです。

 

深い間柄なら、恋愛相談も解決策を求められる

もし人間関係がもっと深まっていた場合は、恋愛相談でももっと難解で「重い」球が飛んできます。

たとえば、
「入社2年目で配属になった部署の先輩と不倫してて、その先輩が仕事を教えてくれたから今まで必死で頑張ってきたのね。それもあって先月社内コンペで優勝できたんだけど、それから先輩が冷たくなって。問い詰めたら『僕より賢い女はいらない』とか言われて。
ハァ!?って感じじゃないですか。で、その先輩、また別の新入社員に手を出してるんですよ。何してやったら一番いい復讐になりますかね?」

なんて、砲丸のような相談が来ます。こんな本気のタマが来たらあなたは親しい仲と認定されてますし、解決策をじゃんじゃん提供することで「恋人以上」の関係も狙えそうです。共感はある種のマナーになってますので「まじか!そいつ本当にいっぺん社会的に抹殺したほうがいいな!」くらいは添えてからの話になりますが……。

ここまで仲良くなれるのは、表面的な恋愛トークを「そっかそっか」「頑張ったのにそれはひどいね」「つらかったね」と共感AIで乗りきった後の話です。

ですから本当に口説きたい相手へのふるまい方は
(1) 共感AIを作動させて「そっかそっか」「つらかったね」「まじかー」と連発する男になることで敵意はないし、むしろ仲良くなりたい意志を見せる
(2) 彼女から本音トークが漏れだしたら解決策も提案する
……という2つのフェーズで構成されます。「女性からの恋愛相談はうなずくだけでいい」は、あくまで知り合った直後だけの話なのです。

 

あとはやりたいか、やりたくないかで決めていい

「でも、そこまでやるのめんどくさい」と思った方へ。仰る通りです。すべての女へこんなことするのは、はっきり言って面倒でしかありません。女性から恋愛相談が飛び出したらまず「こいつとやりたいか」を考えてください。純愛でも下心でも答えは一緒。彼女と仲良くなりたい、あるいはやりたいなら労力を払いましょう。

もしそこまで労力を払いたい相手でないなら、「そっかそっか」の共感AIを発動させるだけ労力の無駄です。最初の会話で恋愛相談への解決策を提示したってかまいませんし、何なら「じゃあそろそろ帰るわ」と退席してもいい。

下手に共感AIをずっと作動させて都合のいい答えばかり返していると「いつも愚痴を聞いてくれる都合のいい相手」として感情のゴミ箱にされるのがオチです。友達になるにせよ付き合うにせよ、会話するなら両方が楽しめたほうがいい。仲良くなりたいならまだしも、どうでもいい相手へプライベートで使う忍耐はありません。さっさと帰って、PSVRでもやりましょう。