女性AV監督・真咲南朋「童貞は悩みじゃないと思うんです。童貞好きの女の子はむちゃくちゃいますよ」

女性AV監督の真咲南朋さん
もともとはロリ系のAV女優として数多くの作品に出演していましたが、今は作品を作る側に回っています。

まれに作品に友情出演することもありますが、現在は男性との絡みはないといいます。
女優として、また監督としてAV業界にかかわってきた真咲南朋さんに、非モテや脱童貞、冴えない男について話してもらいました。

私はいかに男がイクことを考えている。男がもっと解放できるものを

ーー監督としてどんなAV作品を撮っているのですか?

痴女ものやレズ、M男いじめ、エステ、マッサージものが多いですね。

ーーご自身も出演することがあるんですか?

今はAV監督だけになっています。

ただ、友情出演くらいはあります。
知り合いの監督だけなんですが、ちょこっと男をいじめたりして。
結婚して、男優さんとのからみがなくなったんです。

ーーいまはどんなAVが売れているのですかね?

かわいい子のデビューものでしょうね。
デビューものは一本しかない。それが価値があるみたいですね。

でも、そういうのは女の私は撮っても仕方がない。なので、男の人のアクメを研究しています。
いままでAVでは女がイクことが考えられて来たのです。
でも、私はいかに男がイクことを考えている。
男がもっと解放できるものを、あえいでいる男を見たいという私の趣味から、そうした作品を撮っていますね。

ーー男を見たいのですか?

はじめて付き合ったときから、男があえぐところを見たいとい意識していました。
そのときから監督目線だったかも(笑)。

付き合う前に、ビデオを見ていて研究していました。
そのときに思ったのは、女優メインの作品ばかりだってことです。
はめ撮り作品だと男がわかっていて、よくそういう作品を見ていましたね。
男を見ている自分がいました(笑)。

「好きなタイプ」はいつも「冴えないサラリーマン」

ーーどんな人が好きなんですか?

初めて付き合った人は、20歳くらい年上の男性でした。
AVでチラチラ映るあやしいおじさんがいるじゃないですか。
ああいう男性が好きです。感覚的には、AV男優的なものは好きじゃない。

私、プロフィールの「好きなタイプ」の欄にはいつも「冴えないサラリーマン」と書いていましたよ。
期待が大きい人が冴えなかったら嫌。
冴えない人が、なにか一つ冴えていたらいい。そういう人が好きだった。ギャップですね。

イラっとしてしまうような男性が気になってしまうんです。
そのため、スマートに何でもできるような人はダメなんです。でも、本当に冴えないだけの人はダメですよ。

セックスは肉食系の人が好きですね。
性欲をストレートに見せる人のほうがいい。最近は、押しが弱い人が増えている気がする。
女の子は付き合いたくなくても、とりあえずやろうというのはあるが、男はなくなったのかな?

ーー余裕がないのかも。金銭的にも。「デート代を出す」余裕がないとか

私は「デート代を男性が出す」というスタンスはないですね。割り勘でいいです。
女の子で絶対払ってほしいという人は減っている気がする。

人の変化に気がつきやすい人ほどモテる

ーーモテるって、どんなことだと思います?

その人の魅力というよりは、その人が女の子をいかに見ているかが重要だと思います。
人の変化に気がつきやすい人ほどモテると思っている。見た目ではない気がするんですよ。

どこでモテたいの?会社の後輩に?合コン?キャバクラで?
職場は恋愛のきっかけになりやすいんじゃないですかね。合コンのように一瞬の勝負ではないし。
あとは、そこそこのおしゃれじゃなくてもいいけど、清潔感を保つってことでしょうね。

そもそも非モテの男は女の子をほめているのかな?
ほめられると落ちる女の子はいっぱいいると思う。
見た目をほめたことがあるのか?変化に気がつくか?そういうのが大事です。

私、昔は恋愛体質で、ほめられると好きになる展開が多かったんです。
好きでもない女性をほめると勘違いされることもあると思います。
でも、勘違いされるとか、人から好かれる快感を得られればいいんです。
そういうのから人から変わっていくと思います。

ーー脱童貞をするには?

このサイトを見ている男性は童貞をどう見ているのか?
すごいものだと思ってるのなら、店でやってみるといいと思う。

ーー好きな人を落としたいとしたら?

そうであっても店で一度は童貞を捨てたほうがいいんじゃないかな。
好きな人がいいのであれば、店の子を好きになればいい。
私、働いていたことあるけど、好きになったことありますよ。

ーー店以外ではどうですか?

いっぱい「会」と名のつくものに出ることです。出ないと始まらない。

童貞は恥ずかしいものではない

ーー会に行っても、非モテの人たちや童貞の人たちは自信がなかったりするので、なかなか積極的になれなかったりしますよね。

25歳まで童貞で社内で美人の人と結婚した、という話が身近にあります。
社内で一番モテていた女の子と暮らしているという話も聞いた。
そんなことはいっぱいある。童貞でも自信を持って下さい。

プライドが高いのかな?
でも、中年童貞のほうが大変かもしれない。
実際、私の作品でも、45歳で童貞の人を出演させたことがあります。
セックスできるかな?と思って来たと思うけど、セックスせずに、お尻の穴でイッテもらった。

ーーそういう生き方もあるってことですか?

そうですが、あまりおすすめしない(笑)。
人との関わりが薄い気がします。そういう男性は、女優の目を見ないし、自分の世界に入っているだけでした。

ただ、童貞は悩みじゃないと思うんです。童貞好きの女の子はむちゃくちゃいますよ。
この業界に入ってわかったのは、童貞を嫌がる女の子はいないし、「紹介して」という人もいる。
性におおっぴらの女の子が多かったからそういう話が出てくるのかもしれませんが。
「自分の彼氏が童貞だと恥ずかしい」という人もいるかもしれませんが、私の周りは恥ずかしいと思っていなかった。

ーー「童貞」は武器にしていい?

武器になるかどうかはわからないですが、マイナスではないと思いますよ。
それを恥ずかしい感じに思わなくていい。
童貞でもモテている人もいるが、女の子が恐い。モテている童貞もいますよね。

友人の話でも、いつも行っていたバーに、気になっているサラリーマンがいて、お持ち帰りしたら童貞だったという話もあります。

童貞と付き合って自分色に改造しようと思った

ーー真咲さんは童貞は好きなんですか?

好きですよ。ターゲットにしたこともあるくらいです。
彼氏の友だちが童貞だと知っていて、その彼氏と別れた後に、友だちの童貞くんと付き合うことにしたことがありました。
そのときにヤリチンが嫌いになったんです。

もう自分は傷付きたくないと思ったのと、この人を自分色に改造しようと思ったんです。
服も自分好みに変えたんです。「この人はもっとよくなる」と思ったんです。
自分の色に染めたかったんです。「その人にとって最初の女」という思い出に残ってくれることが嬉しいんです。

そのとき結婚しようとまで思いました。
AV女優になったために別れたんです。撮影の日に。隠すのが後ろめたかったんですね。
だから、「AV女優をやりたい。もう撮影をすることが決まっている」などと話して、AV女優だと別れたいんじゃないかと思って…。

ーーそれって別れる理由になるんですか?

自分で「AV女優とは付き合いたくないんじゃないか」と決めつけていたんです。
数年後にその男性と会ったときに「お前は勝手だったよな」と言われました。
だから、今にして思えば、別れなくてもよかったかもしれません。
その彼といたときは幸せでした。そのくらい童貞はありだと思う。ただ、自分色に染まれない人は無理かも。

ーーサイトを見ている人にアドバイスを

嘘でもいいから、相手のことをわかったふりがうまくなることですね。
演じることじゃないですか。相手の話を受け流してもいいんです。
あとほめ上手になってほしいですね。結婚してても、お母さんでも、妻であっても、どこかほめられれば嬉しいものです。

編集後記

以前から性についていろんな話をしたことがありましたが、童貞についての考えを聞いたのは初めてでした。
AV女優として、AV監督として、いろんな男性、いろんな性関係を見聞きしていることを想像すると、思い入れがないのではないか?と勝手に思っていました。
でも、童貞への優しいまなざしがあることを知りました。
童貞くんでも真咲さんのような人との出会いがあれば人生も変わるんでしょうね。

編集:渋井哲也

(※編集部注:この記事は、2013年にインタビューされたものです。)

真咲南朋さんプロフィール

真咲南朋 on Twitter
https://twitter.com/nannannantomo