「嫌われるのが怖い」という気持ち、見透かされてますよ。変な人から狙われないための護身術
こんにちは、トイアンナです。「嫌われるのが怖い」と考えるのは、誰しも同じ……と思いきや、その強度は千差万別。自分がどうとも思わない相手からは嫌われても仕方ない、と割り切れる人も結構いるものです。
この事実は「私ってあなたのこと苦手かも」と言われただけで落ち込んでしまう私のようなタイプにとっては、なかなかの衝撃かと思います。けれど、そういえば悪口を屁とも思わない人間がいたな……と思い当たるフシはありませんか。そして「人の悪口なんて、気にしなきゃいいじゃん」というあっけらかんとしたアドバイスを受けるたびに「そう思えたら苦労しないよ!」と嘆きませんでしたか?
生涯不変の「嫌われるのが怖い」性質
この「嫌われるのが怖い」性質は、努力でどうにかできるものではなさそうです。たとえばエニアグラムという心理テストでは「嫌われるのが怖い」性質の人が生まれながらに一定数いて、生涯を通じ変わらないと考えます。もしこの考え方が正しいなら、嫌われるのが怖い私のような人間は、一生嫌われることを恐れ、びくびくして過ごすわけです。
実際、ある外資系コンサルティングファームにお勤めの男性からお話を伺ってまいりました。
男性: 正直、自分はタフだと思ってましたね。激務でも自分だけ倒れないし、パワハラもかわせますし。けど、その次の上司が人格攻撃するタイプだったんですね。お前は脳の検査を受けた方がいい、こんな信じられないほど低能なんだから……とか。最後は休職しまして、自分を見つめなおして気づきました。
仕事ですから成果を確認されるのは当たり前。それでも、嫌われたらどうしようって考えるだけで辛かった。思えば、小さいころから親族に疎まれるのが怖かったんです。粗相をしたらどうしようって、いつも怯えていました。
努力をしても、つい出てしまう本性
トイ: その性質を何とかしようと、自力で頑張ってみたことはありますか?
男性: しましたね、現に危ない人ばかり寄ってくるし。
トイ: 危ない人っていうのは?
男性: ストーカーとか、精神病んじゃってる人とか。学生の頃、一人暮らししてたんですね。閑静な住宅街で好きだったんですけど、夜は人通りが少ないところでした。ある日家に帰ったら、鍵が開いてるんですよ。「あれ、鍵を閉め忘れちゃったっけ」と思いながら中に入ったら、女の人がリビングに座ってて。その人とは飲み会で一度見たことがあったんですけど、少し話した記憶しかない人で、知人っていうか、知人以下。
トイ: こわっ! それってもう、ホラーですよね!?
男性: そうなんです。でもやっぱりそこで「この人を怒らせないために、どうしたらいいだろう」って考えちゃったんですよね。とにかく穏便に済ませようと。それで始発で帰ってもらってから、警察を呼びました。
トイ: この考え方が正義というわけでもないですが、まずは逃げて警察を呼ぶっていう発想はありましたか?
男性: あったんですけど、相手に悪いなって思ってしまったって感じです。もう怖いんですけど「警察呼ぶほどじゃないし」「その人が怒ったらどうしよう」とかパニックになっちゃって。そういう気持ちも見透かされてたんじゃないかなと思いました。っていうのも、その女性がいた飲み会で、被害にあったのが僕だけだったんです。てことは、無差別に狙われたわけじゃないんだなって。
嫌われるのが怖い気持ちは、すぐにバレます
「嫌われるのが怖い」という感情自体は、悪いものではありません。しかし先ほどの例のように、あなたのその気持ちを利用したい悪人はたくさんいます。ストーカーやモラハラなど加害性の高い人ほど、自分を拒絶しない相手を見つけるのに長けているからです。
特に男性は「女性から怖い目に遭わされた」と言いづらいでしょう。人に相談できないので、「危ない相手」との関係もギリギリまで絶てません。ネットが発達した現代、女性だってストーキングの加害者になれます。
もしあなたが身を守りたいなら、はっきりとした拒絶の訓練をしてみてください。たとえば「もう近寄らないでほしいと警告しても怖い思いをさせてくる人へは警察を呼ぶ」「付き合えない女性からアプローチされたら、早めに無理だと伝える」などです。
もし「嫌われるのが怖い」と感じて行動を起こせないなら、あなたが拒絶しないことで周りにどんな迷惑がかかるかを想像してみてください。ストーカーが激高してあなたの友人や家族へ刃を向けたら? メンのヘラった女性が包丁を持ち出して、運悪く居合わせた友人にまで被害が及んだら……。あなたの大事な友人から嫌われないためにも「ごめんなさい、あなたの付き合うのはムリです」の言葉を絞り出してください。
参考文献:
ドン・リチャードソン、ラス・ハドソン『エニアグラム―あなたを知る9つのタイプ 基礎編』