俺は大丈夫と過信する人ほど危険!サイコパス女子の被害事例

サイコパス、あるいは「良心を持たない人たち」。最近では知名度が上がりすぎて「単に悪いやつ」と誤解を受ける言葉になってしまいましたが、研究者の書籍を読むとむしろ人に共感するフリが得意だったり、愛情深い人物に見えたりするのが特徴です。むしろ、だからサイコパスは怖いと言えます。

「単に悪いやつ」を見抜けと言われたたら、私たちはクラスの嫌われ者や共感能力が低いだけの人をあげつらうだけで済みます。しかし本当のサイコパスはクラスの中心人物だったり、心優しいリーダーだったりするかもしれないのです。

事実、サイコパスに多い職業を調べた研究によれば、多くのサイコパスは弁護士や警察官、外科医など人から尊敬される職業に就いていることがわかっています。たとえば女性に多い職業であれば看護師、保育士、介護士など人から優しい人と思われやすい職業にも潜んでいる可能性があるのです。

 

大丈夫と思っている人ほどカモられる

従って最もサイコパスにカモられやすいのは「俺は人を見抜く力があるから大丈夫。サイコパスなんて逆にやっつけてやる」と自分を過信しているタイプです。

たとえばあなたのバイト先や会社で経費を使って毎日タクシーで自宅へ帰っていた社員が捕まったとしましょう。ところが彼は嘘をついており、彼と付き合っている同僚女性が犯人でした。彼は女性の代わりに罪をかぶってあげたのです。

ですが、こういう時に「俺は騙されないぞ」と思っている人ほど、社会悪として嘘の犯人を糾弾してしまいます。そして「まさか私の彼がタクシー代なんてみみっちい横領をしていたなんて」と涙する真犯人には、同情さえしてしまいかねないのです。

 

サイコパス女子の見分け方3つ

それではこういったサイコパスの女性と付き合ってしまわないためにどう対策を取れるでしょうか。簡単に見抜ける方法を確立できればノーベル賞レベルの快挙ですから、ここでは私の相談実績から仮説をご提案します。

・悪いことをする動機が薄すぎる

どんな人間でも、悪いことはしてしまうものです。好みのタイプに口説かれてつい不倫してしまったり、嫉妬のあまり浮気相手に無言電話をしてしまったり。しかしサイコパスにはこういった「強烈な動機」がありません。あたかも目の前の缶コーヒーを取るためにティッシュボックスをどけるだけのような、浅すぎる動機で悪事を働きます。

ご相談事例ではあるサイコパスと思しき女性に彼氏を奪われた女性がいました。しかし友人は恨まれていたわけでもなければ、その女性が彼を愛していたわけでもありませんでした。ただ「彼の顔が好みで、とりあえず付き合うにはいいかなと思った。そしたら友人ちゃんが邪魔だった」そうです。そんな理由で友人と破局し、さらに噂が広まることで共通の友人も失うリスクを侵せる人はそういません。

「自己愛が強すぎる」「ワガママ」といった言葉で説明できないブラックホールのような動機で悪事を働けてしまうのが、サイコパスの怖いところです。

・普段は「聖女」「いい人」で名が通っている

サイコパスは普段から悪い人ではありません。むしろボランティアへも積極的に参加し、仕事にも熱心で人の仕事まで引き受けるなど「いい人」として名が通っていることもあります。だからこそいきなり悪いことをされても「これは私が悪いのかもしれない」「きっと悪気があったわけじゃないんだ」と相手へ肩入れしたくなるのです。

あるサイコパス女子はあだ名が「聖女」になるほど慈愛に満ちていました。入院した友達のため毎日お見舞いへ行ったり、留年しそうな人がいると聞けばノートを貸してあげたり、その振る舞いは確かにホーリー。ところが聖女には男を見る目がなく、ことごとく「浮気された」「お金を盗まれた」などと嘆いていました。こんな完璧な女性でも男運はないのかと同情していたところ、元彼から恐ろしい話を聞かされたのです。

金を盗まれたのは俺の方。財布からどんどん抜いていかれて。最初は寮に誰か忍び込んでるのかと思ってカメラを仕掛けたのね。そしたらアイツが犯人で。でもそれを言っても誰も信じないわけよ。だって俺も今だって信じられてないもん。それでもう、あいつに何か事情でもあったかと思って、(金を盗んでるところがカメラに写ってたって)言ったわけ。

そしたら(彼女が)わーわー泣いて、親が自分の奨学金まで使い込んでるんだ、金をせびられてお金がなくてやってしまったって。そりゃあ、もう親も許せないし、そんなんで盗んだあいつも不憫だしで50万円やったの、貯金から。もうありがとう、ありがとうって泣いてくれて、それから少ししてから別れたけどさ。俺はもういいことしたなって思ってたよ。まさかあいつの友達には、俺が窃盗犯扱いされてるかとか思わないわ」

 

サイコパスを見抜くのは難しいけれど、過信は防げる

ここまで本気のサイコパスに遭遇してしまったら、もう防ぐすべはありません。ですが、2つの対策は取れそうです。

まず悪事を働かれたら普段の評判を一度忘れて「聖女と呼ばれてようが、お金を盗むのはおかしい。お金がないなら相談できたはず」といった冷静なジャッジをすること。次に「俺は・私は騙されないタイプだから大丈夫」という過信を抱かないよう注意することです。自分が騙されるかもしれないと思っていれば慎重に相手の行動を判定できます。サイコパスに出くわすのは交通事故のようなもの。そこでも安全運転を心がけるかどうかは、あなた次第です。

参考文献:
・マーサ・スタウト『良心をもたない人たち』
サイコパスに多い職業トップ10