「結婚して子供を作れと親から言われるが、その気はない」親に反抗する自信の身に着け方
こんにちは、トイアンナです。男性からの人生相談、今回は「家庭を作れと言われるが、自分はバイで男と付き合うかもしれない」というご相談です。
相談者: SMAP解散で卒倒さん
初めまして。文系大学院2年生の23歳男性です。 私は恋愛に関心がなく、今まで誰かと付き合ったこともありません。また、バイセクシュアルの傾向があると感じています。結婚に至る関係など想像もつきませんし、そもそも相手は同性かもしれません。
しかしながら、実家は旧く保守的であり、長男の私は必ず結婚して子供を作るよう言われています。資産家の家系でもあるため、反発して社会的あるいは相続含む経済的利益を失う危険を冒すことには躊躇いがあります。 このままでは今後実家から詰め寄られることは目に見えています。何か現状を打破する知恵をお借りできないでしょうか。 理想の自分は、自分一個の力のみで生きる人です。
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まずはこの状況をおさらいしてみましょう。
<悩み>
家庭を作れと言われるが、自分はバイで男と付き合うかもしれない
<現状のまとめ>
・恋愛に関心がなく、今まで誰かと付き合ったことがない
・バイかもしれないので、付き合う相手は同棲になるかも
・だが実家が保守的で必ず結婚して子供を作るように言われている
・相続のメリットを捨てるのは躊躇している
<理想>
自分の力だけで生きていける人になりたい
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ここまで読んで「ん?」と思いませんか? SMAP解散で卒倒さん(以下、卒倒さんとお呼びします)からのご相談へ私は2つの違和感を抱きました。
2つの相反する希望は同時にかなわない
まず、恋愛に関心がないのにバイだと認識しており、男性と結婚するかもしれないと仰っているところ。その時点でめちゃめちゃ恋愛に興味・関心あるじゃないですか、と突っ込んでしまいました。とはいえ、バイであろうとなかろうと「あまり人を好きにならない」タイプはいらっしゃるので、卒倒さんもそうかなという前提で読み進めると次の矛盾が出てきます。
実家が保守的で長男なら結婚して跡継ぎを作れと言われ、相続のメリットを無視してまで反発するの抵抗がある。ここまでは分かります。ですがなりたい自分像は「自分一個の力のみで生きる人」……って、相続のために親に従って結婚し、跡継ぎを作りたい気持ちと真逆です。
このように、卒倒さんは以下2つのジレンマを抱えています。
恋愛に興味がない ←→ バイとして自由に恋愛したい
結婚して跡取りを作り遺産を相続したい ←→ 一人だけで生きていける人になりたい
やりたいように生きる自信がないのが課題では?
そして私は卒倒さんの本音がどちらも矢印の右側である「バイとして自由に恋愛し、自分の力だけで生きていける人になりたい」の方かなと思いました。もし本当に恋愛へ興味が無いのであれば親が選んだ相手と結婚することにも抵抗が少ないでしょう。
また、親の言うままに実家を継いで跡取りを作ることに抵抗がなければ「自分一個の力のみで生きる人」になりたいとは思わず「やっぱ実家最強だよな。目指すは不労所得だわ」と相続税対策のお勉強でもしていたはずです。
では、なぜ卒倒さんがジレンマに苦しむのか。それは長男だから、という実家の声に背いて自由恋愛をするなど、「自分一個の力のみで生きる人」になるほどの実力が自分にはないと感じているからではないでしょうか。
極端な例ですが、もし実家の資産が2億あったとして自分の年収が10億円あるならば、親の跡継ぎを作れといった言葉は気にしないはずです。卒倒さんが親の意見を振り切れないのは、卒倒さんに親を超える覚悟はなく、その一方で親の意志に従うことへ100%納得もできていないからでしょう。
ですから卒倒さんにはまず「親の資産などどうでもいいと思えるくらい、自分が納得できるキャリア」を作ろうとチャレンジすることをおすすめします。会社を作ってもいいですし、著作権などライセンスで食べる道もあります。小さな額からトレーディングを始めてもよいでしょう。大学院へ在籍しながら起業している方も多くいます。
卒倒さんに限らず、自分がしたいことがはっきりしている場合は「どうすれば叶えられるだろう」という意志を持つことが大切です。頑張り切った上で失敗したとしても、チャレンジした後ならその人生に納得がいくからです。いっそ「財産なんかいらないよ」と言える自分になってはいかがでしょうか。
法的には遺留分を相続できるので大きな問題なし
と、ここまで卒倒さんをけしかけておいて最後に身もふたもない事実をお伝えしますと、民法では遺留分といってたとえ遺言で「お前には金をやらん」と書いてあったとしても請求できる額があります。
例えばご両親が2人とも一度に亡くなった場合は全財産の1/2が全兄弟の遺留分になりますから、仮に卒倒さんが2人兄弟であった場合、1/2 ÷ 2 = 1/4の財産は手に入るわけです。通常の相続に比べて額が減ってしまうとはいえ、0円になるわけではないのでご安心ください。
卒倒さんがやりたいことを決意して前に進まれることを、心から願っています。