こんにちは、トイアンナです。私が生まれて初めて「人生相談」なるものを見たのは、小学生のころ偶然手に取った男性ファッション誌。大学生が女性慣れしている大人の男性へ相談できるコーナーには「もうXX歳なのに童貞なんです。どうしたらいいでしょうか？」とありました。
当時荒れ気味の小学校にいた私。高学年ともなればクラスのマセた女子は処女じゃなくなっていましたから、「童貞」が何を意味するかくらいは知っていました。冒頭から純粋な童貞を数名殺してしまった気がしますが、コラえて読んでいただければ……。

さて、雑誌の相談に乗っているお兄さんは、童貞さん（仮名）へ無慈悲なコメントを返しました。

「風俗行きなよ（笑）」

小学生の私でも思いました。
「それができたらこの年で童貞してないだろこの人」と。

童貞の気持ちにもっと寄り添おう

童貞を悩みながらも長期間維持している人は、童貞を大切にしています。どうでもいいものだと思っていたら、５万円握りしめて風俗でポイできるはずです。だからまず、童貞を保持している理由があると考えていい。

お話を伺う限り、その大半は「せっかくだから好きな子としたい。でも、童貞だからって引かれたらどうしようと思うと、好きな子へもアプローチできない。付き合えたとしても、童貞だとバレないためにどうしたらいいか分からない」というものです。

この感情を無視して「風俗行けよ（笑）」とアドバイスしても、行けるもんなら行ってるわ！と清いお言葉が返ってくるでしょう。また、童貞を捨てるためには○○したほうがいいよ、というアドバイスも「○○もできないから俺は童貞なんだ」と余計に自尊心を奪うだけです。

童貞はサンクコスト

その上でアドバイスをさせていただけることが２点あります。まず、童貞の価値について。

童貞さんは童貞を大事にしすぎているきらいがあります。せっかくだから好きな人と、せっかくだからホテルで、せっかくだから付き合って１年たってから。童貞を捨てられる機会があったとしても、なぜか守る方に動いてしまう。

このように「せっかくだから」と守り抜いた童貞を大切にすることをサンクコスト効果と呼びます。人は自分がお金や時間を投資してきたものを簡単には止められない心理が働きます。パチンコで5,000円すってしまったら、その5,000円を取り返すまでパチンコを止められない心理になるのと同じです。

パチンコへ夢中になっている人からすれば「何が何でも取り返したい5,000円」ですが、傍から見ればさらにお金を突っ込むくらいなら、居酒屋バイトでもしたほうが早いんじゃないの？　と思えるコスト。童貞は他人から見ると、パチンコですった5,000円と同じ。だから、そんな童貞を守らないで風俗行けば？　というアドバイスが出てきてしまうのです。

だから童貞は無価値だ！　と言いたいのではありません。あなたが悩んでいることに対して、他人はそれほど深く考えていないという点を押さえておけばいいのです。

女性にとって「童貞とのセックス」はまれによくある

ネットスラングで「まれによくある」という言葉があります。”まれ”と”よくある”が相反する言葉のため結局どれくらいの頻度かさっぱり分からない迷言ですが、女性にとって童貞のセックスはまさに「まれによくある」ことです。

相模ゴム工業の調査によれば、ほぼすべての年代で女性の処女率が男性の童貞率より４割ほど低くなっています。これは遊び人の男性に複数の処女が駆逐されているためと思われます。

ということはいざ「真面目なお付き合い」を女性が考えたときには、童貞男性へ当たる可能性が高いのです。だから女性にとって「彼にとって私が初めての相手だったんだよね」は大したことではありません。「へえ、そうなんだ」と女子会でスルーされるレベル。よほど「重度のアイドルオタクだったんだよね」の方がどよめきを生むでしょう。

ですが、女性は男性の見栄に敏感です。童貞なのに遊び人と嘘をついた、童貞なのにいもしない元カノの話をした……といった事実が明らかになると100％の好感度が20％くらいまで下がります。美少女ゲームで言うところの[彼氏候補]から[ただの知人]くらいまで距離を取られます。

ですから童貞さんは、自分が童貞であることを隠したい気持ちこそが童貞を長引かせることを肝に銘じてください。前述の通り童貞の有無は他人にとってそこまで重要なトピックではありません。男女逆転するなら顔にホクロがあるからコンプレックスで……と女性から相談されるくらい、あなたが「知らねーよ、レーザーで取れば？」と思うことです。

せっかくの童貞だから、初めては彼女と、ちゃんとした場所でしたい。いいじゃないですか。その夢をぜひ叶えるために好きな人へのアプローチを考えていきましょう。童貞だからと見栄を張ったり、嘘をついたりさえしなければそれすらも素朴さや誠実さを示せるあなたの魅力なのですから。

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