付き合って5年、そろそろ結婚…?でもプロポーズに踏み切れない…決断するための結婚ガイド

はじめに:長い交際期間と結婚の決断

付き合って5年——この期間は多くのカップルにとって、お互いのことをよく知り、深い絆を育む十分な時間です。毎日の小さな習慣から価値観まで、パートナーの多くの側面を理解してきたことでしょう。そして自然と、「そろそろ結婚…?」という言葉が頭をよぎる瞬間が訪れます。

しかし、その一方で「本当に結婚して大丈夫だろうか」「自分は夫として、家族の一員として責任を果たせるだろうか」という不安も湧き上がってきます。特に日本社会では、男性が結婚に踏み切れない理由として、経済面の心配、自由の喪失、親との関係など、様々な障壁が存在します。

このブログでは、長期交際から結婚への移行に悩む18〜30代の男性に向けて、一般的な不安要素とその対処法を詳しく解説します。感情面から実践的なアドバイスまで、結婚という人生の大きな決断に自信を持つためのヒントをご紹介します。

日本の結婚事情:データから見える現実

変わりゆく結婚の形

現代の日本では、結婚の形や意識が大きく変化しています。厚生労働省の最新データによると、日本人男性の平均初婚年齢は31.1歳、女性は29.7歳となっており、20年前と比較すると約2歳上昇しています。晩婚化が進む一方で、初婚のピークは男女ともに27歳前後であり、この年齢層での結婚は依然として一般的です。

婚姻件数は減少傾向にあり、20年前と比較して約3割減少しています。この背景には、若年層の経済的不安定さや価値観の多様化などが挙げられます。2023年度の経済財政白書では、賃金水準の低さや男女の賃金格差が結婚率低下の一因として指摘されています。

パートナーシップの多様化

結婚の形も多様化しています。共働き世帯が専業主婦(夫)世帯を大きく上回り、家事や育児の分担についての考え方も変化しています。また、事実婚やパートナーシップ制度の利用など、法律婚以外の選択肢も広がっています。

このような社会変化の中で、長期交際カップルが結婚について考える際には、従来の「こうあるべき」という固定観念にとらわれず、二人にとって最適な関係の形を模索することが大切です。

長期交際カップルが抱える心理的な壁

現状維持バイアスと変化への抵抗

人間には「現状維持バイアス」という心理的な傾向があります。現在の状態を変えることにリスクを感じ、たとえ変化によって得られるメリットがあったとしても、現状を維持しようとする心理が働きます。5年間の交際で築いた安定した関係に満足している場合、「今のままで十分幸せだから、わざわざ結婚という変化を起こす必要があるのか」と考えることは自然なことです。

しかし、心理学者によれば、人生の重要な分岐点では、変化を恐れるあまり成長の機会を逃してしまうことがあります。現状に満足していることと、結婚によってさらに関係が深まる可能性は、必ずしも相反するものではありません。

長期交際の関係に安心感を覚える一方で、「このままでいいのだろうか」という疑問が生じるのは、実は前向きな思考の表れかもしれません。この葛藤を、関係性を見つめ直す貴重な機会として捉えることができます。

結婚に対する理想と現実のギャップ

メディアや周囲の影響から、私たちは結婚に対して様々な理想像を抱きがちです。「完璧な結婚式」「問題のない家庭生活」「常に愛し合う夫婦」といった理想が、現実とのギャップを生み出し、不安を増幅させることがあります。

ある心理学的調査によれば、結婚に対して過度に理想化されたイメージを持つ人ほど、実際の結婚生活での適応に苦労する傾向があるとされています。結婚は二人の関係性の延長線上にあるものであり、魔法のように全てを変えるものではありません。

長期交際中のカップルにとって重要なのは、お互いの欠点も含めて現実的に相手を理解し、共に成長していく意欲を持つことです。「完璧な結婚」ではなく、「二人にとって満足できる結婚」を目指すことで、プレッシャーを軽減することができます。

経済面の不安と具体的な対策

現代の結婚における経済的な課題

結婚に踏み切れない最大の理由として、多くの男性が経済面の不安を挙げています。「家族を養えるだけの収入があるか」「住宅購入や子育てにかかる費用を賄えるか」といった心配は、非常に現実的なものです。

国立社会保障・人口問題研究所の調査によれば、未婚男性の約6割が「経済的な余裕がない」ことを結婚できない理由として挙げています。特に注目すべきは、年収500〜699万円という比較的安定した収入がある男性でも、「家庭に責任を持てない」と感じている点です。

これは単に収入の問題ではなく、将来への不安や社会的なプレッシャーも影響しています。終身雇用の崩壊や雇用の不安定化が進む現代社会では、将来にわたって安定した収入を得られるかどうかの保証がなく、それが結婚への踏み出しにくさにつながっています。

二人で取り組む家計管理と将来設計

経済面の不安に対処するための最も効果的なアプローチは、二人で協力して具体的な計画を立てることです。現代の結婚は、かつての「男性が養う」という前提から「パートナーシップとして協力し合う」形へと変化しています。

まず取り組むべきは、お互いの収入や支出、貯蓄、負債などの財政状況を正直に共有することです。これは単なる数字の問題ではなく、お金に対する価値観や優先順位を理解し合うプロセスでもあります。

実践的な家計計画のステップ

結婚後の共同生活をイメージした、具体的な家計計画を立ててみましょう。

● 両者の収入を正確に把握する

● 固定費(家賃、光熱費、通信費など)と変動費(食費、交際費など)を算出する

● 結婚後の新たな支出(住居の拡大、保険の見直しなど)を考慮する

● 貯蓄目標を設定する(緊急資金、将来の住宅購入、子育て費用など)

● 投資や資産形成の方針を決める

このような計画を立てる過程で、「思ったより余裕がある」と気づくカップルも少なくありません。また、具体的な数字に基づいた議論は、漠然とした不安を解消する効果があります。

公的支援制度の活用

結婚や子育てに関する公的支援制度は年々充実しています。これらを賢く活用することで、経済的な負担を軽減できる可能性があります。

● 住宅取得支援(住宅ローン減税、すまい給付金など)

● 自治体による結婚・子育て支援金

● 育児休業給付金

● 児童手当や子ども医療費助成

● 教育資金の贈与税非課税措置

お住まいの自治体のウェブサイトや窓口で最新の支援制度を確認し、ライフプランに組み込んでおくことをおすすめします。

キャリアプランの見直しと収入アップの可能性

経済的な不安を感じている場合は、結婚を機にキャリアプランを見直すこともひとつの選択肢です。近年は転職市場も活発化しており、スキルアップや業界変更によって収入を増やす可能性も広がっています。

● 資格取得や専門スキルの習得による市場価値の向上

● 副業やフリーランス活動による収入源の多様化

● 長期的なキャリアパスの再設定

ただし、収入アップを目指すことと、ワークライフバランスを保つことのバランスも重要です。過度な労働時間や仕事のストレスは、家庭生活の質を低下させる可能性があります。パートナーとの対話を通じて、収入と生活の質のバランスについて共通理解を持つことが大切です。

自由と責任のバランス:結婚後の生活設計

「自由」に対する誤解を解く

結婚に踏み切れない理由として、「自由が失われる」という懸念を抱く男性は少なくありません。趣味や友人との時間、個人的な支出などが制限されるのではないかという不安です。

しかし、健全な結婚生活において「自由の喪失」は誤解である場合が多いです。現代の結婚観は、互いの個性や自由を尊重した上での絆を重視する方向に変化しています。実際に幸せな結婚生活を送っているカップルの多くは、適度な「個の時間」と「共有する時間」のバランスを取っています。

東京都在住の32歳のAさんは、5年の交際期間を経て結婚しました。彼は言います。「結婚前は自分の時間がなくなるのではと心配していましたが、実際には妻と話し合って、お互いの趣味の時間を尊重することにしました。むしろ一緒に住むことで通勤や家事の効率が上がり、趣味に使える時間が増えた面もあります」

パートナーシップとしての役割分担

結婚生活における責任は、必ずしも伝統的な性別役割に縛られる必要はありません。現代の夫婦は、それぞれの得意分野や状況に合わせて柔軟に役割を分担しています。

● 家事の分担は、得意・不得意や仕事の状況に応じて柔軟に設定する

● 重要な決断は二人で話し合い、共同で下す

● 互いの仕事やキャリアを尊重し、サポートし合う

● 家計管理は、一方に任せるのではなく、透明性を持って共同で行う

このような対等なパートナーシップを築くことで、「一家の大黒柱」という重圧から解放され、より持続可能な関係を構築することができます。

「夫」「妻」の役割を超えた関係性の構築

従来の「夫は仕事、妻は家庭」という固定観念から解放されることで、お互いの個性や能力を最大限に活かした関係性を築くことができます。

例えば、料理が得意な夫と家計管理が得意な妻、あるいは育児に積極的に関わりたい夫と仕事でのキャリアも大切にしたい妻など、従来の性別役割にとらわれない関係性が増えています。

「夫」「妻」という枠組みに自分を当てはめるのではなく、「どんなパートナーでありたいか」「どんな家庭を築きたいか」という視点から関係を考えることで、プレッシャーを軽減し、より自分らしい結婚生活を送ることができます。

価値観の違いと将来設計に関する不安

日常生活から見えてくる価値観の相違

5年の交際期間があっても、「結婚生活」という文脈で初めて表面化する価値観の違いがあります。例えば、普段の生活では問題にならなかったお金の使い方や時間の過ごし方、整理整頓の基準などが、同居を始めると摩擦の原因になることがあります。

都内の婚活カウンセラーによれば、長期交際カップルであっても、以下のような潜在的な価値観の違いに気づいていないケースが多いといいます:

● お金の使い方(貯蓄重視か、体験重視か)

● 家族との付き合い方(密接な関係か、適度な距離感か)

● 家事の基準(完璧を求めるか、ある程度で妥協するか)

● プライバシーの考え方(何をどこまで共有するか)

● コミュニケーションスタイル(話し合いで解決するか、時間をおいて考えるか)

子育てや教育方針に関する対話

将来子どもを持つことを考えている場合、子育てや教育に関する価値観の違いは特に重要です。「子どもは何人欲しいか」という基本的な問いから、「どのような教育を受けさせたいか」「しつけの方針はどうするか」まで、様々な側面で意見の相違が生じる可能性があります。

これらの違いは必ずしも関係の障害ではなく、むしろ豊かな視点をもたらす可能性もあります。大切なのは、違いを認識した上で、お互いの考えを尊重し、歩み寄れる部分を見つけていく姿勢です。

価値観の違いを話し合うためのアプローチ

価値観の違いについて建設的に話し合うためには、以下のようなアプローチが効果的です:

● 「正しい・間違い」という二項対立ではなく、「異なる視点」として捉える

● 相手の価値観が形成された背景(家庭環境や過去の経験など)を理解しようとする

● 意見の違いを尊重しつつ、共通の目標や方向性を見つける

● 必要に応じて専門家(カップルカウンセラーなど)のサポートを受ける

共通のビジョンを描く重要性

価値観の違いがあっても、二人で共有できる将来のビジョンがあれば、それは結婚生活の強固な基盤となります。「どんな家庭を築きたいか」「10年後、どんな生活をしていたいか」といった大きな方向性について話し合い、共通の目標を設定することが重要です。

東京の心理カウンセラーは次のようにアドバイスしています。「価値観の違いは避けられませんが、それらの違いを乗り越えて協力し合える関係かどうかが重要です。小さな違いに焦点を当てるのではなく、二人が共有する大きな夢や目標に目を向けることで、結婚への一歩を踏み出す勇気が生まれます」

親との関係や親の期待に関する懸念

日本の結婚における家族の影響力

日本社会では、結婚は単に二人の問題ではなく、両家族を結ぶ出来事としての側面も持っています。そのため、親の期待や意見が結婚の決断に大きな影響を与えることがあります。

親からの「そろそろ結婚は?」というプレッシャーに悩む人がいる一方で、「親が彼女を受け入れてくれるだろうか」「相手の家族との関係をうまく築けるだろうか」といった不安を抱える人も少なくありません。

特に、地方出身で都市部に住む男性の場合、実家との距離や親の伝統的価値観との折り合いに悩むケースもあります。また、一人っ子や長男の場合は、親の介護や家の継承に関する期待が重圧となることもあります。

パートナーの家族との関係構築

結婚は、パートナーの家族との新たな関係を築くプロセスでもあります。「義父母」という新しい関係性に不安を感じるのは自然なことですが、これを前向きな機会として捉えることも大切です。

パートナーの家族との良好な関係を築くためのヒント:

● 最初から完璧を求めず、時間をかけて関係を育んでいく姿勢を持つ

● パートナーを通して、その家族の習慣や価値観について事前に理解しておく

● 自分の個性を押し出しすぎず、相手の家族文化に敬意を示す

● 小さな貢献(手伝いや気遣い)を通じて信頼関係を築いていく

● 困ったことがあれば、パートナーと率直に話し合い、協力して対応する

両家のバランスを取る工夫

結婚後は、両家とどのような付き合い方をするかについても話し合っておくことが重要です。特に年末年始やお盆などの行事をどう過ごすか、日常的な訪問頻度はどうするかなど、具体的な計画を立てておくと安心です。

● 両家に公平な時間や気持ちを配分する

● 大きな行事は交互に訪問するなどのルールを設ける

● お互いの親に対する不満や懸念は、まず二人で話し合う

● 必要に応じて、丁寧に境界線を設定する方法を学ぶ

ある30代の男性は次のように語ります。「結婚前は彼女の家族とうまくやっていけるか不安でした。しかし彼女が間に立ってくれたおかげで、少しずつ関係が築けています。今では義父と釣りに行くのが楽しみになっています。大切なのは焦らないことと、お互いの違いを尊重する姿勢だと思います」

結婚のタイミングと意思決定のプロセス

「完璧なタイミング」は存在しない

結婚のタイミングに悩む多くの人が「もう少し収入が増えてから」「もう少しキャリアが安定してから」と考えがちです。しかし、人生に「完璧なタイミング」は存在せず、常に何らかの不確実性や課題が存在するものです。

心理学者によれば、人間は将来の不確実性に対して過度に不安を感じる傾向があり、それが「準備ができるまで待とう」という心理につながります。しかし、ある程度の不安や不確実性は、どんな人生の大きな決断にも伴うものです。

ある40代の男性は振り返ります。「30代前半で結婚を考えていた時、もう少し貯金ができてからと先延ばしにしていました。実際に結婚したのは36歳でしたが、今思えばもっと早く決断していても良かったと感じます。経済面の準備は大切ですが、二人で一緒に成長していく過程にこそ価値があると気づきました」

二人の関係性の質を見極める

結婚の決断において最も重要なのは、経済状況や年齢ではなく、二人の関係性の質です。以下のような点に注目することで、結婚への準備が整っているかを考えることができます:

● 困難な状況でもコミュニケーションを取り続けられるか

● お互いの成長や変化を支え合えるか

● 価値観の違いがあっても、尊重し合えるか

● 日常的な問題解決において協力できるか

● 将来のビジョンを共有できているか

これらの点で二人の関係に自信があれば、たとえ全てが完璧でなくても、結婚に踏み出す準備が整っていると言えるでしょう。

「迷い」を正直に共有する勇気

結婚について迷いや不安を感じることは、決して恥ずべきことではありません。むしろ、そうした感情を正直にパートナーに伝えることで、より深い対話と相互理解が生まれる可能性があります。

「結婚するべきか迷っている」と伝えることは、関係性を否定することではなく、より良い関係を築くための誠実な姿勢の表れです。多くのカップルカウンセラーは、このような正直なコミュニケーションこそが、強固な結婚生活の基盤になると指摘しています。

迷いを共有する際のポイント:

● 「あなたとの関係に問題がある」ではなく「自分自身の不安や課題」として伝える

● 具体的な懸念点を明確に説明する

● 問題解決志向で、一緒に考えたいという姿勢を示す

● 相手の反応や感情に共感的に耳を傾ける

● 必要に応じて、専門家のサポートを受けることを提案する

長期交際から結婚への移行:実践的なステップ

コミュニケーションの深化

結婚という決断を前に、より深いレベルでのコミュニケーションが必要です。日常会話では触れない重要なテーマについて話し合う機会を意識的に作りましょう。

重要な話し合いのテーマ

● キャリアビジョンと仕事への取り組み方

● 金銭感覚と家計管理の方針

● 子どもを持つかどうか、また育児の考え方

● 住まいの希望(地域、家の広さ、購入か賃貸か)

● 親族との関わり方

● 宗教観や政治的な価値観

● 健康や生活習慣に関する考え方

● 老後や将来の介護に関する考え

こうした話し合いは一度で終わるものではなく、継続的に対話を重ねていくことが大切です。また、話し合いの場を設けることで、お互いの考えの深い部分を知り、理解を深めることができます。

試験的な共同生活の経験

まだ同居していないカップルの場合、結婚前に一定期間の共同生活を経験することも、結婚生活をイメージするのに役立ちます。長期の旅行や、週末だけの同居など、状況に合わせた形で試してみることで、日常生活での相性や課題が見えてくることがあります。

共同生活の中で特に注目してほしいポイント:

● 朝の準備や夜の過ごし方など、生活リズムの調和

● 整理整頓や清潔さに関する基準の違い

● ストレスを感じた時のコミュニケーションパターン

● 家事の分担方法とその満足度

● プライバシーと共有空間のバランス

これらの経験を通じて、「一緒に住むとどんな感じか」をより具体的にイメージすることができ、結婚後のギャップを減らすことができます。

専門家のサポートを活用する

結婚への不安や迷いが大きい場合は、専門家のサポートを受けることも検討してみましょう。カップルカウンセリングや婚前カウンセリングは、中立的な立場から二人の関係をサポートし、潜在的な課題の発見や解決策の模索を助けてくれます。

また、経済面に不安がある場合は、ファイナンシャルプランナーに相談し、現実的な家計計画や資産形成のアドバイスを受けることも有効です。

こうした専門家のサポートを受けることは、決して「関係に問題がある」という意味ではなく、より良い関係を築くための積極的な取り組みと捉えることができます。

結婚がもたらす意外なメリット

精神的な安定と幸福感

複数の心理学的研究によれば、健全な結婚生活は精神的な安定と幸福感をもたらす傾向があります。「常に側にいてくれる人がいる」という安心感や、人生の喜びや困難を分かち合えることの価値は、単なる同居関係以上のものです。

国立社会保障・人口問題研究所の調査では、既婚者は未婚者と比較して、全体的な生活満足度が高い傾向が見られます。特に、「人生の意義」や「社会とのつながり」といった側面での満足度の差が顕著です。

また、長期的なパートナーシップは「社会的サポート」の重要な源となり、ストレスの緩和や困難な状況への対処能力の向上につながります。特に男性は、親密なパートナーとの関係が精神的健康に大きな影響を与えるという研究結果もあります。

経済的なメリット

結婚には経済的なメリットも少なくありません。二人の収入を合わせることで家計に余裕が生まれたり、固定費を分担することで一人当たりの負担が軽減されたりします。

具体的な経済的メリット:

● 家賃や光熱費などの固定費の分担による節約

● 税制上の優遇措置(配偶者控除など)

● 二人分の収入による住宅ローンの借入可能額の増加

● リスク分散(一方が収入を失っても、もう一方の収入がある)

● 将来の老後資金の共同形成

もちろん、経済面だけで結婚を決断するべきではありませんが、長期的な視点で見ると、二人で協力することによる経済的なメリットは決して小さくありません。

健康面でのメリット

日本を含む複数の国での研究によれば、結婚している人は平均して独身者よりも健康状態が良好で、寿命も長い傾向があります。これには以下のような要因が考えられます:

● 健康的な生活習慣の相互促進(バランスの取れた食事、適度な運動など)

● 健康上の問題に早期に気づき、受診を勧める存在がいる

● 心理的ストレスの軽減による免疫機能の向上

● 病気や怪我の際のサポートがある

特に日本人男性の場合、独身男性より既婚男性の方が規則正しい生活習慣を持ち、健康診断の受診率も高いというデータがあります。

個人的成長の機会

結婚生活は個人的な成長の機会ももたらします。パートナーとの日々の関わりの中で、自己理解が深まり、コミュニケーション能力や忍耐力、共感性などが育まれることが少なくありません。

また、パートナーの強みや価値観から学ぶことで、自分一人では気づかなかった新たな視点や可能性に出会うこともあります。「二人で成長していく」という過程こそが、結婚生活の醍醐味と言えるでしょう。

結婚前に確認しておくべき重要な要素

価値観の共有度を確認する

結婚生活の満足度に最も影響するのは、日常的な価値観の共有度だと言われています。5年の交際期間があっても、以下のような重要な価値観について話し合う機会がなかった場合は、意識的に確認してみることをおすすめします。

重要な価値観チェックリスト:

● 人生における優先順位(キャリア、家族、趣味など)

● 社会的・政治的な価値観

● 宗教観や精神性

● 家族の意義と家族との関わり方

● お金の使い方と貯め方

● 自由と責任に関する考え方

● 子育ての方針

これらの価値観に完全な一致は必要ありませんが、大きな相違点があれば、それらにどう対処するかを事前に話し合っておくことが重要です。

債務や財政状況の開示

結婚前に、お互いの財政状況を包み隠さず開示することは、将来のトラブルを防ぐために非常に重要です。特に、ローンや借金などの債務がある場合は、結婚前に正直に伝え、返済計画を共有しておくことが大切です。

財政面で確認しておくべきこと:

● 収入と支出の状況

● 貯蓄額と投資状況

● 住宅ローンやクレジットカードの債務

● 奨学金などの返済義務

● 親や兄弟への経済的援助の有無

● 将来の経済的目標

これらの情報を共有することは、単なる数字の問題ではなく、お互いへの信頼と誠実さの表れでもあります。

健康状態と遺伝的要素

長期的な関係を考える上で、健康状況や家族の病歴などについても話し合っておくことが望ましいでしょう。特に子どもを持つ計画がある場合は、遺伝性疾患の有無なども含めて情報を共有しておくことで、将来の備えができます。

また、メンタルヘルスの状況や、ストレス対処法についても話し合っておくと良いでしょう。お互いの健康を支え合う関係づくりが、長期的な結婚生活の基盤となります。

長期交際から結婚へ:よくある疑問と答え

「このまま付き合い続ける」と「結婚する」の違いは何か

法的・制度的な違いはもちろんありますが、心理的な面でも大きな違いがあります。結婚は互いへのコミットメントを社会的に宣言する行為であり、関係に新たな安定性と深みをもたらします。

また、「家族」としての一体感や、将来に対する共同責任が生まれることで、関係性の質が変化することも少なくありません。「単なる紙切れの違い」と考える人もいますが、多くのカップルは結婚によって関係性が深まったと感じています。

「今のままで十分幸せ」という状態でも結婚すべきか

「今のままで十分幸せ」と感じていることは、実は結婚を考える良いタイミングかもしれません。問題や不満から逃れるために結婚するのではなく、すでに良好な関係をさらに深めるための結婚は、成功の可能性が高いと言われています。

ただし、「現状維持したい」という気持ちが強い場合は、なぜ結婚に踏み切れないのかを深く掘り下げてみることも大切です。単なる慣性なのか、何か具体的な懸念があるのかを自問自答してみましょう。

プロポーズのタイミングと方法について

プロポーズについては、パートナーとの会話の中で結婚についての考えを共有した上で行うことをおすすめします。「サプライズ」よりも、二人の将来について十分に話し合った後のプロポーズの方が、より意味のあるものになるでしょう。

プロポーズの方法は、パートナーの好みや性格を考慮して選ぶのが良いでしょう。華やかなサプライズを好む人もいれば、二人だけの静かな場での真摯な会話を大切にする人もいます。重要なのは「形式」ではなく、誠実な気持ちを伝えることです。

まとめ:自分たちのペースで進む勇気

付き合って5年、そろそろ結婚を考えるという段階で、不安や迷いを感じるのは自然なことです。経済面の心配、自由への懸念、親との関係、価値観の違いなど、様々な要素が結婚への決断を難しくすることがあります。

しかし、こうした不安はあなただけが感じているものではなく、多くの男性が同様の思いを抱えながらも、パートナーとの対話と相互理解を通じて乗り越えてきました。

大切なのは、社会的な「べき論」や周囲のプレッシャーではなく、あなた自身とパートナーにとって最良の選択を見つけることです。完璧な準備や完璧なタイミングを待つのではなく、ある程度の不確実性を受け入れながらも、二人で共に歩んでいく覚悟と意欲を持つことが重要です。

結婚に対する不安は、関係性の問題ではなく、むしろ責任感の表れかもしれません。その真摯な気持ちを大切にしながら、パートナーと率直に思いを共有し、二人にとって最適な選択をしていくことが、結婚という人生の大きな決断に自信を持つための近道となるでしょう。

5年という時間をかけて育んできた関係性は、結婚生活という新たなステージでも、必ずや二人の大きな財産となるはずです。自分たちのペースで、自分たちらしい結婚と家庭を築いていく勇気を持ちましょう。