

結婚資金はいくら必要?20代男性のための完全ガイド
結婚はおめでたいけれど、気になるのはやっぱりお金のこと。「結婚資金はいくら必要?」と不安になる20代男性も多いでしょう。実は結婚には想像以上にまとまった費用がかかりますが、ご祝儀や親からの援助など頼れるサポートもあります。また、最近の若い世代では結婚式をあげない選択も増えており、結婚観も多様化しています。ここでは、結婚にまつわるお金の内訳や平均費用、20代カップルの貯蓄事情、支出を抑える工夫などを軽快に解説します。準備をしっかりすれば、結婚資金は決して怖くありません。それでは財布の中身と相談しつつ、結婚資金のリアルを見ていきましょう!
目次
結婚にかかる主なイベントと平均費用
結婚関連のイベントには婚約から新婚旅行まで様々なステップがあります。それぞれに費用が発生しますが、まずは主要なイベントごとの平均費用を押さえておきましょう。
● 両家顔合わせ(食事会) – 平均約6〜7万円。婚約が決まった後、両家の親睦を深めるための食事会にかかる費用です。格式張った結納をせずカジュアルな顔合わせのみ行う場合、主に食事代(1人1万円程度×人数分)が中心で、平均6万7000円程度というデータがあります。遠方から両親が来る場合は交通費や宿泊費も考慮しましょう。
● 結納式 – 平均約20〜21万円(結納金を除く)。伝統的な結納式を行う場合の費用です。ホテルや料亭での正式な結納式では、進行役や式場費、結納品の飾り付け費用などが含まれ、平均20万6000円ほどになります。結納は地域や家によって様式が異なり、自宅で簡略化するケースもあります。この費用には後述する結納金(金銭の贈答)は含まれていない点に注意してください。
● 結納金と結納返し – ケースによって数十万〜100万円超。結納式を行う場合、一般的に新郎側から新婦側へ結納金(婚約の証としての金銭)を渡します。その全国平均額は約98.8万円と報告されています。かなり高額ですが、これはあくまで伝統的な形式を踏襲した場合の数字です。実際には結納金なしで式だけ行うカップルや、金額を抑えて準備するケースもあります。また、新婦側からは頂いた結納金の一部を結納返しとして返礼します。平均は現金で約46.2万円、品物で約21.2万円というデータもあります。例えば「高級腕時計を返礼品に贈る」などがその例です。結納金と結納返しは双方の家の意向によるため、現代では省略したり簡略化するカップルも少なくありません。
● 婚約指輪 – 平均約35〜38万円。プロポーズの定番であるエンゲージリングの費用です。婚約指輪を贈った人の統計では平均38万2000円で、ボリュームゾーンは30万円台という調査結果があります 。最近は「婚約指輪は2人で選ぶ」カップルも多く、予算に合わせて購入するケースが増えています 。指輪のお返し(婚約記念品の返礼)として、新婦から新郎へ高級腕時計などを贈る場合は別途平均13.4万円ほどの費用がかかります。
● 結婚指輪(マリッジリング) – 平均約25〜27万円(2人分)。結婚式で交換するペアの指輪の価格帯です。シンプルなデザインからオーダーメイドまで幅がありますが、2人分で約26万円が全国平均というデータがあります。素材やブランドによって価格は上下しますが、多くのカップルが互いに相談して選び、折半で支払うことも多いようです。
● 結婚式・披露宴 – 平均約300〜330万円 。結婚費用の中でも最も大きなウエイトを占めるのが挙式と披露宴です。衣装、式場費用、料理・飲み物代、演出、装花、引出物など盛りだくさんの費用が含まれ、全国平均は約303〜327万円とされています。ゲスト数や式のスタイルによって大きく変動し、例えば招待客50名規模のホテル婚では300万円超が一般的な一方、家族のみ20名程度の小さな式なら100〜200万円台に抑えることも可能です。コロナ禍直前の2020年には全国平均362.3万円でしたが 、2021〜2022年は規模縮小の影響で300万円前後に下がりました。最近では「挙式のみ」や「食事会のみ」といった形式も選べるため、自分たちの希望と予算に合った式を検討しましょう。
● 新婚旅行(ハネムーン) – 平均約30〜60万円。結婚式後のお楽しみ、新婚旅行にかかる費用です。行き先や日数によって差がありますが、2021年頃の調査では平均30.5万円と過去より大幅に低下していました(※海外旅行を控えるカップルが多かったため)。コロナ禍前の平均は約60万円程度 で、ハワイやヨーロッパなど海外ハネムーンを選ぶカップルが多く含まれます。国内旅行の場合はこれより安く、海外でもツアーを利用したりオフシーズンを選べば費用を抑えられます。土産代は別途平均5万円前後かかり、地域によっては「披露宴に招待した親戚に土産を配る」風習が残るところもあります。自分たちの旅行スタイルに合わせた予算設定をしましょう。
● 新生活準備 – 平均50〜60万円ほど。結婚を機に新居へ引っ越す場合、家具家電の購入費や敷金礼金など新生活立ち上げ費用も見込んでおきましょう。例えば家具・インテリア購入に平均24.4万円、家電に28.8万円程度かかったというデータがあります。すでに一方の住居に一緒に住む場合は最小限で済みますが、ゼロから世帯を構えるなら数十万円規模の出費は避けられません。政府の「結婚新生活支援事業」により住居費用を補助してもらえる制度(後述)もあるので、活用できるか確認すると良いでしょう。
以上を合計すると、婚約から結婚式、新婚旅行までに必要な費用総額は平均370〜420万円程度になります。例えば結納ではなく顔合わせのみ、かつ国内旅行にするといったケースではもう少し低くなるなど、カップルの選択次第で増減します。実際、リクルート社の調査によれば2021年首都圏の平均総額は393.4万円(全国356.8万円)だった一方、コロナ前の2020年は493.8万円と100万円以上高かったとのことです。「一生に一度だから!」と欲張れば青天井ですが、近年は費用を抑える工夫をするカップルも増えています。まずは自分たちの場合に何が必要で何を省略できるか、やりたい事と予算をすり合わせることが大切です。
20代前半 vs 後半、地域で変わる結婚費用の実態
同じ結婚費用でも、新郎新婦の年齢や住んでいる地域、収入状況によってお金のかけ方には違いが出てきます。特に20代前半と後半では、経済力や交際スタイルの差から結婚資金の準備状況に差があるようです。
●年齢による違い: 一般的に、20代前半で結婚するカップルは社会人経験が浅いため貯蓄額が少なかったり、職場の上司や取引先といったゲストが少ない分、小規模な式になる傾向があります。例えば新卒数年目の22〜24歳であれば、招待客も親族と学生時代の友人中心で、結果的にこぢんまりした披露宴になりやすいでしょう。その分、披露宴の平均費用も抑えめで200万円台前半〜300万円未満で実施するケースも見られます(招待客30人程度のレストランウエディングなど)。一方、20代後半(27〜29歳)になると会社の同僚や上司も招待客に加わり、ゲスト数が増える傾向があります。社会人としての収入やボーナスも上がり始める時期のため、式にお金をかけられる余裕が出てきて、結果として平均300〜350万円程度の一般的な披露宴規模になることが多いようです。
ただし「年齢が若いほど安上がり」というわけでもありません。むしろ若いほど親の援助が手厚い場合も多く(後述)、20代前半であっても両家が熱心に支援して豪華な結婚式を挙げる例もあります。その逆に、20代後半でもシンプル婚志向で写真撮影だけに留めたり少人数婚を選ぶカップルも出てきています。要するに「結婚式にどれだけ価値を置くか」という本人たちの考え方次第で、年齢よりも価値観や経済観念の違いが費用に表れると言えるでしょう。
●地域による違い: 結婚資金は地域差も見逃せません。例えば首都圏(東京周辺)と地方では、式場の料金やゲストのご祝儀額が異なるため総費用に差が出ます。一般に都市部の方が物価が高く、披露宴の平均総額もやや高めです。実際、2021年のデータでは首都圏の結婚資金平均が393.4万円なのに対し、全国平均は356.8万円と約40万円の差がありました。都心の一等地にある高級ホテルや式場は料金設定も高くなりがちですが、その反面ゲストのご祝儀相場も地方より高め(後述しますが、関東では友人3万円が基本、一部地域では2万円台という所も)です。
またご祝儀文化の地域差も費用差の一因です。例えば九州では伝統的に披露宴が盛大で、招待客一人あたりのご祝儀額も全国で最も高い傾向があります。九州の親戚のおじさんは「孫には奮発」と10万円包んでくれたりする話も珍しくありません(ありがたいですね!)。逆に北海道は会費制パーティが主流で、一人1.5万円程度の会費×人数で行うスタイルが多く、ご祝儀という形はあまりありません。このように土地柄で結婚費用の工面方法も変わるため、自分たちの地域の慣習に合わせて予算を考える必要があります。
●収入による違い: 新郎新婦それぞれの年収も、かけられる結婚資金の額に影響します。20代男性の平均年収は、20代前半で約280万円、20代後半で約400万円という統計があります。高収入な人ほど「全部自腹で立派な式を挙げたい」という余裕があるかもしれません。一方、収入が平均的または低めの人は身の丈に合った結婚式を意識する傾向があります。とはいえ、「給料が少ない=結婚式を諦める」必要は全くありません。次章で述べるように、ご祝儀や親の援助をうまく活用すれば、新郎新婦の自己負担は総額の一部で済むケースが大半です。極端な話、平均的な収入の20代カップルでも、自己負担ゼロ〜数十万円程度で結婚式を実現している例もあります。
まとめると、結婚費用は千差万別です。20代前半の地方在住カップルなら質素に抑えて総額200万円台も可能でしょうし、20代後半で都心の人気会場にこだわれば500万円超もあり得ます。大事なのは「自分たちはどんな結婚式にしたいのか」をまず固めること。そのビジョン次第で予算計画もおのずと変わってきます。年齢や収入にとらわれすぎず、理想と現実のバランスを話し合ってみましょう。
ご祝儀・親の援助・会社の支援:頼れる支えとその相場
結婚資金の心強い味方となるのが、ゲストからのご祝儀や親からの援助金、そして会社や自治体からのお祝い制度です。自分たちの貯金だけでは賄いきれない費用も、これら「もらえるお金」で大きくカバーできます。それぞれの平均的な額や実態を見てみましょう。
●ゲストのご祝儀 – 「結婚式のおひねり」とも言えるご祝儀は、招待客から新郎新婦へ贈られるお祝い金です。日本の結婚式ではご祝儀制が一般的で、その総額は平均約200万円前後に達します。リクルートの調査によると、ゲスト数の平均は約49人で、ご祝儀総額平均197.8万円というデータがありました。単純計算すると1人当たり約4万円のご祝儀をいただいている計算です。友人・同僚からは3万円、上司や恩師は5万円、親族は5〜10万円といったように、立場によって相場は異なります。例えば友人30名・親族10名・上司5名くらい招待すれば、合計で200万円以上になることも充分あり得ます。
ポイントは、このご祝儀が披露宴の費用に充当できることです。招待客1人あたりにかかる料理や引出物などの経費が大体1.5〜2万円程度なので、3万円のご祝儀を頂けば1万円前後は「儲け」として他の費用に回せるイメージです。極端な話、ご祝儀だけで結婚式費用の大半をまかなえるケースもあります。実際「ご祝儀だけでも結婚式費用を大幅にカバーできる」という声もあり、式場によっては費用の後払いを認めて当日もらったご祝儀で支払うことを推奨しているところもあります。20代カップルにとって招待客は主に同年代の友人が中心かもしれませんが、それでも人数次第で相当な金額になります。「ご祝儀パワー」を侮るなかれ、です。
●両親からの援助金 – 次に頼りになるのが親御さんからの資金援助。日本では結婚に際して双方の親がある程度の援助をする慣習が根強く残っています。実態として、ある調査では約8割近くのカップルが親から援助を受けたとの結果が出ています。その援助総額の平均は163.7万円(両家合計)で、単純に両家からそれぞれ約80〜90万円ずつもらった計算になります。別のアンケートでも「親の援助があった」人は7割近くおり、援助額の平均は約111万円だったとの報告があります。いずれのデータでも大半の親は結婚資金を助けてくれる傾向にあり、額も100万円超が珍しくありません。
もっとも、援助の有無や金額は各家庭の方針や経済状況によって様々です。「うちは一切援助しない主義」という親御さんもいれば、「うちが全部出すから好きにしなさい」という太っ腹なケースもあります。平均額を見るとかなり大きな支えですが、計画段階では「援助してもらえたらラッキー」くらいのスタンスで、あまりアテにしすぎない方がいいでしょう(もらえたら本当にラッキー!)。なお、親からの資金提供が多額になると贈与税の問題も出てきますが、結婚式費用の援助であれば110万円までは非課税枠で収まることがほとんどです。仮にそれ以上の援助を受ける場合は、ご祝儀という形で親族から集めるなど工夫するとよいかもしれません。
親からの資金援助額のアンケート結果(一例)。7割近くが援助ありで、中でも「160万円以上」が34%と最も多く、次いで「91〜110万円未満」が26.7%となっている 。「援助なし」は約30%に留まる(2023年・結婚費用に関するアンケート)
●会社や公的な支援 – 職場や自治体からのお祝い金制度もチェックしましょう。企業の福利厚生で結婚祝い金が支給される場合があります。金額は会社規模によりますが、一般的に3〜10万円程度を従業員に支給するケースが多いようです。中には社内報で盛大に祝われ商品券が贈られる…なんて話も。額としては大きくありませんが、「塵も積もれば山」ですからありがたく頂いて結婚資金に充てましょう。
また、日本政府は少子化対策の一環で新婚世帯への経済支援策を用意しています。その代表が「結婚新生活支援事業」による新生活補助金です。これは住居費用や引越費用に対して最大60万円を補助する制度で、夫婦ともに29歳以下なら上限60万円(30〜39歳なら上限30万円)受け取れる市町村もあります 。ただし世帯所得が一定以下(目安として年収540万円未満)などの条件があります。自治体によって実施状況が異なるため、結婚予定の市区町村のホームページで結婚助成金の案内を確認してみてください。要件に当てはまれば使わない手はない制度です。
●ご祝儀+援助で自己負担はいくら? – ここまで見てきたように、多くのカップルはご祝儀と親の援助でかなりの額を賄っています。では最終的に自分たちで負担する金額はどのくらいになるのでしょうか。極端な平均モデルを示したデータがあります。2021年首都圏の平均で結婚にかかった総額393.4万円に対し、ご祝儀平均176.8万円+援助平均192.5万円を合計すると約369万円になります。総額393.4万 − もらえた369万 = 自己負担約24万円!?という試算です。つまり平均的にはほとんど持ち出し無しで結婚できている計算になります。もちろん、これはあくまで平均マジックです。実際には援助ゼロの人もいれば、予定よりご祝儀が少なかったなんてこともあり得ます。それでも、「費用総額の半分以上はご祝儀と援助でカバーできる」というのが一般的な結婚資金の構図です。結婚情報誌ゼクシィでも「結婚資金 = 二人の貯蓄 + もらえるお金」と公式見解(?)が述べられています。ですから、不足分だけを自分たちで用意すればOK、と前向きに考えましょう。
なお、結婚式場への支払いタイミングには注意が必要です。多くの会場では挙式の1〜2週間前までに費用を支払う必要があります。つまり、ご祝儀を実際にもらう前に立替えが必要なケースがあるのです。当日精算や後払いOKの会場であれば問題ありませんが、前払いの場合は一時的な自己資金を用意しておきましょう。最近はクレジットカード払い対応の式場も増えています。カードで払っておいて、ご祝儀で後から埋め合わせるという手も使えますね(ポイントも貯まりますし!)。ブライダルローンという結婚費用専用ローンもありますが、将来の住宅ローン審査などへ影響する可能性もあるため利用は慎重に。
20代の平均貯蓄とリアルな資金計画モデル
それでは、実際に自分たちの貯蓄だけでどの程度結婚費用をまかなえるのか、現実的な視点で考えてみましょう。20代カップルの平均貯金額や年収から、資金計画のモデルを立ててみます。
●20代の平均貯蓄額 – 金融広報中央委員会の調査によれば、20代(単身者)の平均貯蓄額は約302万円、中央値は100万円です。中央値がぐっと低いことからわかるように、ごく一部の貯蓄上手が平均値を押し上げている状況です。実際、20代の43.5%は貯金100万円未満というデータもあります。一方で結婚前提のカップルに絞るともう少し数字は高くなります。あるアンケートでは20代カップルの結婚前貯金合計は平均330万円(一人あたり約165万円)との結果がありました。ただし最も多い回答は「50万円未満」で、貯金300万円以下のカップルが6割近く占めるというのが実情です 。つまり、貯蓄ゼロ・少額でも結婚しているカップルは大勢いるということでもあります。「自分たち貯金ないけど大丈夫かな…」と不安な方、ご安心を。同じ境遇でも何とかなっています!
では、なぜそれで結婚できたのか?ここまで述べたご祝儀と親援助で穴埋めしているからです。例えば先述の平均モデルでは自己負担24万円でした。手元にそれくらい用意できれば極端な話OKということになります。ただ、平均をあてにしすぎるのは危険ですから、もう少し現実的なモデルケースで考えてみましょう。
●資金計画モデルケース: 仮に総額300万円の結婚式+新婚旅行プランを想定します。内訳は披露宴250万・旅行50万としましょう。ゲスト40名招待で、ご祝儀は一人3万円計算なら約120万円入ります。両家からそれぞれ50万円ずつ援助をもらえたとします(計100万円)。そうすると残り80万円が二人の負担額です。この80万円を二人で半分ずつ出すなら、一人あたり40万円ずつ負担となります。例えば25歳同士のカップルが2年後の結婚を目標にするなら、毎月約1.7万円ずつ貯金すれば40万円に到達します(ボーナス時にもう少し上乗せできれば月1万円台でも大丈夫ですね)。毎月1〜2万円の積み立てなら、20代の平均手取りから見ても現実的に可能な範囲でしょう。こうした逆算思考で「いつまでにいくら貯める」と決めると、具体的な行動計画が立てやすくなります。
もちろん、援助ゼロでも結婚は可能です。仮に上記のケースで親の援助がゼロなら自己負担は180万円になります。2年で貯めるには二人で毎月7.5万円(1人3.75万)とハードルは上がりますが、その場合は式の規模をもう少し縮小するなどして調整すればいいでしょう。あるいは結婚式そのものを会費制パーティに切り替えて、ご祝儀頼みではなくゲストから一律会費1万円ずつ集めてその範囲内で行う、という選択もできます。例えば「1.5次会」と呼ばれるカジュアルなパーティ形式なら自己負担数十万円以下でできたケースもあります(中には自己負担8万8千円で叶えたプランも!)。つまり、自分たちの貯金ペースや経済状況に応じて、やり方を工夫すれば無理なく結婚に踏み切れるということです。
●平均年収との比較: ところで、20代男性の平均年収は約385万円と言われます。仮に年収400万・手取り月25万円の人が1年間で結婚費用50万円を貯めるとしたら、ボーナス等を含め年収の12〜15%程度を結婚貯金に充てる計算です。これは決して不可能な割合ではありません。むしろ、人生の節目に向けてそのくらいの貯蓄目標を持つことは健全と言えるでしょう。総務省の家計調査などによれば30代以降になると貯蓄額は飛躍的に増えますが、20代のうちに結婚するなら計画的に先取り貯蓄を始めるのが吉です。最近では結婚資金を見越して財形貯蓄や積立定期預金を活用する若者もいるようです。
まとめると、結婚資金の準備は「目標設定」と「逆算」が肝心です。必要な費用総額からご祝儀・援助分を引いて、自分たちで用意すべき金額をはじき出す。それを結婚までの期間で割って毎月の貯蓄額を決める——このプロセスを踏めば、「結婚資金○○万円」という漠然とした不安もだいぶ解消されるのではないでしょうか。
若手カップル直伝!賢い貯金術&結婚費用の節約テクニック
ここからは、実際に結婚資金をやりくりした先輩カップルの知恵を紹介します。20代のうちに結婚を実現したカップルたちは、どのように貯金し、どんな工夫で費用を節約したのでしょうか?いくつか具体例を挙げてみます。
●毎月コツコツ&ボーナス一括貯蓄: 王道ですが最も確実なのがこの方法。調査によると、8割以上のカップルが「毎月コツコツ貯蓄」で結婚資金を捻出しています。給料日のたびに一定額を貯金用口座へ移し、ボーナスが出たらその一部(あるいは全額!)を結婚資金に積み増しするやり方です。普段から先取り貯金の習慣がない人も、結婚が決まったらこれを機に始めましょう。「結婚式までに○○万円貯める」という明確なゴールがあればモチベーションも維持しやすいはずです。
●同棲して家賃・生活費を節約: 結婚前に同棲を始めて二人の生活費を合理化するのも有効な手です。例えばそれぞれ別に暮らして家賃を月6〜7万円ずつ払っていたのを、一緒に住んで8万円の部屋にすれば毎月4〜5万円浮きます。その浮いた分を結婚資金に回せば1年で50万円以上の貯蓄も可能です。ゼクシィの先輩花嫁の声でも「同居して家賃分を貯蓄に回した」というカップルが紹介されています。同棲には親の理解や部屋探しなどハードルもありますが、結婚前提であれば検討する価値は大いにあります。
●結婚式の時期・規模を工夫: 結婚式費用は挙げる時期や規模によって大きく節約可能です。例えばオフシーズン(夏の猛暑や真冬など)や平日開催にすると、多くの式場で割引プランが適用されます。人気の「大安」や週末午後の時間帯を避けるだけでも数十万円安くなることもあります。また、思い切って家族・親族だけの少人数婚にすれば、招待客を絞る分費用も抑えられます。「友人は呼ばず写真だけ残す」「式は親のために神社で挙式だけ行い、披露宴はしない」といった選択も全然アリです。ふたりの理想と予算にあったスタイルを選ぶことこそ、賢い結婚の秘訣ですね。
●手作り・持ち込みで費用ダウン: 結婚式のアイテム類は自作できるものは自作するのが節約の鉄則です。招待状・席次表を手作りしたり、映像演出用のプロフィールムービーを自分たちで編集すると、その分業者に払う料金を削減できます。ネットで調べれば花嫁DIYのアイデアが山ほど見つかります。さらに、衣装や小物を外部で調達して持ち込むのも手です。式場によっては持ち込み料がかかりますが、それでも自前で安く用意した方が総額で安上がりになる場合があります。例えばウェディングドレスを海外通販で購入したり、中古レンタルを活用する人もいます。前撮り・後撮り写真も、スタジオに頼むと高いですが自分たちのカメラで撮影すればタダ同然です。「それじゃクオリティが心配…」という方、最近はスマホでも十分キレイに撮れますよ!実際、新婚旅行先にドレスを持参し、セルフタイマーで撮影して30万円節約したという強者カップルもいます。工夫とアイデア次第で節約ポテンシャルは無限大なのです。
●「会費制」や「フォト婚」など新しい形を活用: 従来の披露宴にこだわらず、別のスタイルでお祝いするのも若い世代に増えている節約術です。例えば披露宴の代わりに1.5次会(会費婚)と称して、会費1万円程度のカジュアルパーティを開くケース。ゲストにはご祝儀不要で来てもらい、自分たちは会費と同額程度のお料理・ドリンクを用意するだけなので自己負担を大幅カットできます。また、フォトウエディング(写真婚)も人気です。挙式や披露宴は行わず、プロのカメラマンによる記念写真だけ残すスタイルで、費用は数十万円程度で済みます。「ドレス姿の写真さえ撮れれば十分!」という割り切ったカップルには最適でしょう。実際、後述しますが写真だけで済ませる20代夫婦も増えているのです。
●その他チリツモ節約: 日常生活でも結婚資金のためにプチ節約を積み重ねたという声が聞かれます。例えば外食や飲み会の回数を減らす、お弁当を作ってランチ代を浮かす、洋服や美容代をしばらく控える、といった地道な努力です。「結婚式までは遊びも我慢して必死に貯めた!」という先輩もおり、まさに涙ぐましい節約ですが、そのぶん晴れの日の喜びもひとしおでしょう。中には結婚式のために副業で収入を増やしたなんて猛者もいるかもしれません。ここまで頑張る必要はないにせよ、できる範囲で支出を絞る覚悟は大事ですね。
このように、20代の若手カップルたちは知恵と工夫で結婚費用をやりくりしています。お金をかけるところと節約するところのメリハリをつけ、「愛」と「貯金」を両立させているわけです。ぜひ先人の知恵を取り入れて、賢く準備を進めてください。
変わる結婚観:Z世代のライフスタイルと結婚に対する考え方
最後に、若い世代の結婚観の変化について触れておきましょう。特に現在20代のZ世代(おおむね1990年代後半〜2000年代生まれ)は、結婚式や結婚そのものに対して従来とは異なる価値観を持ち始めています。それが結婚資金の使い方にも表れているのです。
直近3年以内に結婚した20代男女696名への調査:「あなたは結婚式を挙げましたか?」の回答結果。約47%が結婚式を挙げていない(予定もない)と回答し、結婚式をしない若者が半数近くに上ることが明らかになった
なんと、20代の約半数は結婚式を挙げていないというデータがあります。上のグラフが示す通り、コロナ禍を経たここ数年で「結婚式はしない派」が急増しています。その最大の理由は「費用が高いと思ったから」で、調査では57.6%もの人がコスト面を挙げています。「フォトウェディングで十分だと思った」(33.0%)や「そのお金を新婚旅行や生活に使いたかった」(31.2%)と答えた人も多く、他にお金をかけたいという本音が見えます。他には「式自体に興味がなかった」(28.8%)、「準備が大変そうだから」(26.1%)という声もあり、必ずしも経済的理由ばかりではないものの、コスト意識の高さがうかがえます。
一方で、結婚式を挙げなかったカップルの半数以上(57.3%)はフォトウェディングを行ったという調査結果もあります。「式は挙げないけど写真は残したい」というニーズが非常に強いわけです。実際、「結婚式はしないけどドレス姿の写真だけプロに撮ってもらった」「和装で前撮りだけした」といった話は周囲でも珍しくなくなりました。形に残る写真さえあれば満足、という割り切りはZ世代ならではの合理性かもしれません。
さらに踏み込んで、「何もしない」という選択をするカップルも一部存在します。マイナビウエディングのアンケートでは、20代の約10%が「結婚の記念に特に何もしない」と回答しています。30代ではその割合が約20%に上ります。昔は「結婚したら披露宴をするのが当たり前」という空気がありましたが、今や結婚の形は人それぞれ。周囲からとやかく言われる時代でもなくなり、本人たちが望まなければ式もパーティもしないという選択肢が市民権を得ています。「やらなきゃいけないからではなく、やりたいことをやる」というカップルが増えているのは幸せなことかもしれません。
このような結婚観の多様化は、ライフスタイルや恋愛観の変化とも結びついています。晩婚化・非婚化が進み、「結婚そのものは必須ではない」と考える若者も増えてきました。背景にはキャリア優先や経済的不安、そもそも出会いが少ない等の社会要因もあります。しかし結婚する人たちに限って言えば、Z世代はむしろ堅実志向であると言えます。無理に背伸びをせず、身の丈に合った結婚式で十分と考える——その裏には「結婚後の生活の方が大事」という意識も見え隠れします。「結婚式より新婚旅行や生活に費用を使いたかったから」という先の調査結果が象徴的ですね。確かに、新婚旅行で世界を見聞したり、新生活のために良い家具を買ったりする方が二人の今後にプラスになるかもしれません。
また、SNSや写真文化の発達で写真映えへの意識が高まったこともフォトウェディング流行の一因でしょう。インスタグラムに綺麗なウェディングフォトを残せれば満足、といったカップルもいるようです。一方で、「大勢を招いて披露宴をするくらいなら親しい友人だけでアットホームなパーティをしたい」という志向もありました 。形式ばった披露宴よりカジュアルなホームパーティや二次会形式で十分、と考える人も少なくないのです。
総じて、Z世代は結婚に対してとてもフレキシブルです。お金のかけ方も価値観に忠実と言えます。豪華な挙式披露宴をあげるカップルももちろんいますが、それは「本当にやりたいからやる」のであって、周囲の圧力や義務感ではありません。逆に「別にやりたくない」と思えば本当にやらない。その自由な選択ができる時代になりました。ですから、これから結婚資金を貯める20代男性の皆さんも、ぜひ自分たちなりの結婚の形を考えてみてください。無理して背伸びする必要はありません。大事なのは結婚式の豪華さではなく、二人の愛と今後の暮らしですから。結婚資金はそのための手段に過ぎません。あなたとパートナーにとって最適なプランを選び、賢く準備して、笑顔で結婚の日を迎えられることを願っています。