漫画家のドルショック竹下さんは、奇麗になるためのセックスとは何かを追求したコミックエッセイ「セックス・ダイエット」(ミリオン出版)の著者です。かつて、「漫画ナックルズ」(休刊、ミリオン出版)では、読者とセックスをする体験漫画も発表していました。そんなドルショックさんは恋愛対象と性愛の対象を分けているようです。何がどう違うのでしょうか。話を聞いてみました。

»オシャレな男性好きという女性ばかりではない

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-「メンズファッション+」サイトについてどう思いますか?

ファッションで合格を目指すこと。それはそれでいいんじゃないでしょうか。でも、オシャレな男性が好きという女性ばかりではありません。逆に、オシャレすぎる男性に対して距離を取る女性もいます。それに、女性は男性のオシャレに優しいです。たいていのものは大丈夫じゃないでしょうか。それよりも、髪型と体型、眼鏡、髭のほうが気になると思います。もちろん、体型も気になります。でも、ダイエットは時間がかかります。服は手っ取り早いという感じがします。

–男性の気にするファッションはどんなものですか?

それはアンバランスさでしょうか。中学の男子生徒が着ていそうな「英字新聞プリント」と、ごついアクセサリーの組み合わせとか…、電車で見かけませんか?
ファッションも一応、歴史があって成り立っています。一つひとつのファッションには意味があるので、組み合わせ方としてバラバラだとどうなのかな?と(思います)。同じ店で買うのがいいと思いますよ。ただ、意外と「しまむら」だとテイストがバラバラなんですよ。だから「ユニクロ」が無難かなとも思います。

–学生時代はどんなファンッションでしたか??

高校生のときむちゃくちゃでした。コギャル世代ですが、演劇部でしたので、コギャルファッションには無理があるって感じでした。むしろ、コギャルではなく、「CUTiE(キューティー)」系を目指していたんですが、雑誌に載っている商品は値段が高いのでなかなか買えませんでした。髪型はベリーショート。過度にオシャレに追求するつもりはなかったです。高校生のときモテなかったですね。
だから大学生のとき、モテたいと思ったんです。シンプルな服でもよかったんです。服のラインに極端なものがなく、好感度もいい。大学生のころは、ジーンズとTシャツで済みました。

»格好がいいだけでは好きにならないし。むしろその人と喋っている空気感。

–どんな男性が好きですか?

 好きな男性のタイプに統一感はないです。この年になると、外見はそこまで求めません。格好がいいだけでは好きにならない。むしろその人と喋っている空気感でしょうか。この人といるとリラックスできるとか、楽しいとか。なにを求めているかはその時々で違います。
 「モテ」はいろんな方向性があります。だから自分がどんな武器があるのかを考えるのは大事です。外見以外に、売れるところがあるのか?明るくセックスを語ることができるか、女の子っぽいのか。オタクなのか….。
 そうした自分を客観視できる力は就活にも役に立ちますよ(笑)自分がそこそこできていると思ってきても、30代後半になると先が見えてくる。専門馬鹿になったり。逆に表面的なコミュニケーションばかりが上手くなり、本質を見失ったり。これまでいったい何をして来たのかと虚無が訪れます。サブカル鬱みたいな感じでしょうか。
 モテてていた人が徐々にモテなくなってくるんです。そういうのを女の子は見ている。若い女の子なら、「すごい!」「有名なんだ!」というだけでいいかもしれません。でも、アラサーくらいの女子はちゃんと見ています。女の子はタイムリミットが早く設定されているので、シビアですよ。

–ダサい、モテなさそうな男性の特徴は?

 周りにあわせられない人とか自意識過剰な人。単に情報を持っていない人でしょうかね。とはいっても情報を持っていない人は、誰かの手を借りれば改善の余地がありますが。
 ダサいといっても、服には程度がある。安いジーンズとTシャツくらいなら差はない。ただ、ガリガリなのに(サイズが合わない)ブカブカの服を着ている場合は、ラインがダサくなります。

»私に言わせれば、20代の童貞はたいしたことない。

doller2–童貞との性体験は?

 童貞であっても、服を脱いじゃえばあまり変わりない(笑)。私の中では、恋愛感情とセックスは分断されています。汚そうじゃない。爪に垢がないということ最低限のマナーがあればいいです。最後には清潔感でしょうか。
 私に言わせれば、20代の童貞はたいしたことない。20代後半とかアラサーになると、ちょっと童貞かどうかは意識したりします。その年代で童貞だと、「どうした?なにかあったのか?」って感じになります。
 女の子は、(性の対象であることなど)「女であること」の社会的要請があります。その一方、男の場合は、性の対象であることに自覚的ではないので、ぼんやりしていれば30くらいになってしまうでしょうね。でも、ピリピリしなきゃいい。
 リードしてほしい女の子ばかりじゃない。「リードしたい」「エロい」ということをポジティブにとらえている女の子もいます。そこにいい反応したり、素直に受け入れればとんとん拍子に進むんじゃないでしょうか。

–出会ってからキスとエッチは何回目がいい?

 自分きっかけで何でも済むと思うのは大間違いです。現状、童貞なら相手に合わせろと言いたいですね。相手の出方を伺えばいいのです。もちろん、自然にできる人種とできない人種がいますが、そんなに「待ち」の女性はいません。意思表示はしっかりしています。だから、「待ち」の女性を望んでしまうと、よけいうまくいきません。
 奥手の女性や考え方が清楚な女性相手は、(童貞喪失の)ハードルが高いかもしれません。家でゲームをするとか、言い訳を与えることがいいんです。別にセックスでなくてもいい。セックスを特別のことと考え過ぎるからそうなるんじゃない?私なんかだと効率的にセックスをする方法を考えちゃうけど(笑)、普通なら、恋愛を通した人間的成長を考えています。カラオケで手を握るでもいい。相手を性の対象として見るのは失礼ではないです。問題はその出し方なんじゃないかな。

»ダサくても、一緒に寝ているときにイケメンに見えればいい。だから一回やってみて判断する。

–付き合ってなくてもエッチする女性は周囲には何割くらい?

私の周囲だといっぱいいます(笑)7割くらいじゃないかな?付き合うこととエッチは別。30代くらいになると性欲が旺盛になります。それなりに経験値があがります。女の子はセックスの際に精神的安心感を求めます。一方、付き合うとかになると、結婚とか自分の将来にかかわることになります。だから気軽に恋愛ができません。付き合っている人以外の外のセックスは増えます。

–モテそうだと思う男性と、恋人になりたい男性、エッチしたい男性とはそれぞれどう違う?

「セックスしたい男の大集団」中に、「付き合いたい男の小集団」がいる。私の場合は、性欲が前提です。やりたいと思わないと恋愛になりません。でも、恋愛は終わります。セックスも飽きます。既婚者となると、法的なリスクがあるため、性の対象としては外します。
セックスしたい男は、過剰に腹が出ていない人。なるべく。皮下脂肪はいいが、内臓脂肪みたいなものがキツい。ちょっとむちむちしているのはいいかも。薄毛は気になりませんし、ハゲは気にしません。でも、隠すために無理していると面白くなるのでダメですね。
顔はパッと見と、セックス中は表情は違います。ダサくても、一緒に寝ているときにイケメンに見えればいい。だから一回やってみて判断します。セックス中に(「キミの〜は、いま〜になっているよ」などの)AVっぽくナレーションする男は面白くなってしまうこともあるからやめてほしいですね。むしろ、自分がどういう状態なのかを言ってくれるほうがいいです。
恋愛をしたいと思う相手は、セックスすることを前提で、私の話を聞いたうえで、自分の考えを言う人。別の視点を与えてくれる人がいいです。人といることの新鮮を与えてくれる。私が言いなり、相手がいいなりは嫌です。崇められるも嫌です。横暴な人は、迷惑ですね。等身大でいられる人ってこと。無理なく話せる人がいいです。

»オシャレじゃなくても、この人いいな?と思うのは、家にいるくらいリラックスできる相手

–どうやったら脱童貞できるのか?

 人を受け入れる姿勢をつくっておくことです。人と喋っているときに、やわらかい表情でいるとか。オシャレじゃなくても、この人いいな?と思うのは、家にいるくらいリラックスできる相手がいい。25歳で童貞だろうが、30過ぎで童貞だろうが関係ないです。
 私は自分が気を遣うタイプなので、相手も気を遣うと、距離が遠くなってしまうんです。変に攻撃的だとダメで、心を閉じてしまうと断絶してしまいます。そこから何も産まれません。仲良くなるために話しているんだから。

–サイトの読者にひと言。

 リラックスすることです。「この世の中にはいろんなひとがいる」「自分と違ったり、相容れない人がいる」、それが楽しめるようになるといいですね。自分の中のイメージにこだわらないことです。どう見せるかではありません。「男ならこうではきゃいけない」というイメージから脱することですね。人間関係ができるかどうかですよね。人間関係ができれいれば、童貞でもいいんじゃないでしょうか。
 それでも、セックスしたいだけなら、お金さえ出せばいくらでもできます。セックスより大事なことは人生にいっぱいあります。こだわりすぎると煮詰まります。日本は射精させるためにあらゆるものがそろっています。セックスをいっぱいしているお姉さんがいうんだから間違いない!(笑)

»編集後記

 ヤリマンを自称するドルショックさん。初めて会ったときは、読者とのセックスを漫画にする連載をしていた雑誌での取材でした。いったい、何を聞かれるのかと緊張したものです。それからよく会ったり、飲んだりするようになり、彼女の性体験を聞きました。
 外見にこだわりすぎない彼女のスタンスは、非リア、非モテの人たちには救いになります。彼女にとって「モテ」と、セックスの対象になることとは別のことのようです。最低限の見た目と清潔感を見につけて、一歩前に踏み出すこと。そしてリラックスさえすれば、自然と「モテ」る。ドルショックさんのメディア・イメージとは違った、真面目な語りが聞けました。

編集:渋井哲也

»ドルショック竹下さんプロフィール

ドルショック竹下さんの公式サイト「今日のどるちゃん情報」
http://d.hatena.ne.jp/doller/

ドルショック竹下さんのTwitter
https://twitter.com/doller

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