奥さんとの喧嘩で元気がなくなっているアナタへ、ポジティブな別居のススメ

こんにちは、トイアンナです。最近、60代の男性から離婚のご相談を受けました。彼は19歳で結婚してから一家の大黒柱として会社で勤め上げ、お子さんも自立しています。「そこまで人生を順風満帆に進めておきながら、なぜ?」と最初は思いましたが、詳しくお話を聞いて唖然。ご夫婦の関係はちっとも「順風満帆」ではなかったのです。

 

あなたにも訪れる、熟年離婚「できない」危機

「疲れたんだよ。もう離婚していいよねって気持ちになっちゃったんだよね。うちの嫁さんさ、毎日家で俺を罵倒してくんのよ。つらいよ。でも息子が自立するまでは、って我慢してきたの。ただアイツ(息子)も立派にやってるからさ、もういいかな俺、離婚したいって話したんだよ。でも嫁さんは主婦でずっとやってきたからさ、今更自活はムリって言うんだよな。そりゃ、主婦やってくれって頼んだのは俺なんだから、責任は取らなきゃだよねえ」

人生、長年連れ添えば「もう好きじゃない、別れよう!」とはいかないものです。経済的な事情から介護、相続。離婚か円満カップルか、のイチゼロでは測れない未来もあります。

私も結婚前は悩む熟年夫婦を見て「なんでズルズル離婚しないんだろ。別れればいいのに」なんて単純に考えていましたが、ずっと一緒に暮らしてきた夫婦が別れるとなれば、資産の分割だけでも年単位の調整が必要なんてこと、ザラにあります。

 

離婚はしなくても、「ポジティブな別居」できます

そこで出てくるのが「別居」という選択肢。「一緒に暮らせないほど関係は悪化しているけれど、離婚へ踏み切るほどじゃない」時期にはてきめんです。筆者は現在、夫婦仲がよいまま別居をしていますが、それでもメリットを享受しています。

まず、喧嘩の原因が生まれません。喧嘩はささいなストレスの蓄積で生まれます。「勝手に飲み会へ行かないで。夕飯を作ったのに無駄になっちゃう」「ごみ捨てしてって言ったじゃない」「子供が熱出してるんだから、たまには迎えに行ってよ」といったトラブルは同居さえしていなければ自分でやって終わります。紛争が起きるくらいなら、最初から遠くに住めば良かったんだ、という話です。

そして別居中は、仮に喧嘩をしてもクールダウンが早まる効果が。喧嘩はお互いの顔を見ていると口八丁手八丁となりがちです。しかし電話口やLINEでの喧嘩なら、一晩も寝かせると大抵のことも「昨日はごめん」と頭を冷やして謝れるのです。介護や失職、子育てのトラブルなど、人生はどうあがいても喧嘩が多発する時期があります。夫婦の難しい局面を乗り越えるとき、別居はポジティブな選択肢と言えるでしょう。

 

ポジティブな別居をするための黄金ルール

ただし、いきなり荷物をまとめて出ていくのはポジティブな別居からは程遠い「最後通牒」です。別居を選択するときは、以下の黄金ルールを守りましょう。

1.別居することを妻へ相談する
いきなり家を出ていけば、それだけで別居ではなく「別離」へ傾きます。別居するときは必ずパートナーへ「一度頭を冷やすために、住まいを分けたいんだ」と話しましょう。離婚は考えていない、むしろ健全に関係を立て直すためだと伝えられればベストです。こんな話ができないくらい関係が硬直しているなら、手紙やLINEでも構いません。

2.期限を決めて別居する
終わりなき別居をするくらいなら、離婚したほうがいい――と、誰しも考えるはず。頭を冷やすための別居なら、期限を決めておきましょう。「冷静に話し合うために半年だけ別居したいんだ。関係をその間で再構築して、戻ってきたいと思ってる」などと切り出してください。なお、あまりに長期の別居は離婚事由となります。

3.暴力や暴言をふるわない
どうしても仲が悪い時期、かんしゃくを起こしてしまったり、そばにあるものを投げてしまいたくなりませんか。こういった行動、別居期間が短くても離婚事由となりえます。あくまで関係を見直すための別居ですから、彼女へ離婚を決意させる行動は一切取らないよう慎重に話し合ってください。
無視する、養っているのに生活費を入れない、バカなどと罵倒するのもDVです。怒りがたまっているときほど、行動は慎重に。ストレスの発散方法は家庭外へ持つように努力してください。なお以前、私は婚約破棄を経験しましたが当時は「ひたすら仕事へ没頭する」ことで心を守っていました。もしかするとあなたの苦労も、キャリアアップのチャンスかもしれません……!

4.別居中も連絡を取る
別居してから音信不通になると、それが当たり前となり離婚へ傾きかねません。最低でも週に1度は連絡を取りましょう。思い切って「週末婚」スタイルにするのもポジティブな別居のあり方です。週末婚スタイルであれば、夫婦仲の話を周囲へしたくないときも「単身赴任になっちゃって」と秘密を守りながら別居できます。

別居を考えたくなるほど心労がたまっているなら、あなたも精神状態がパツパツになっていることでしょう。別居で物理的距離を置いて視野を広げ、冷静に将来の話し合いができるきっかけになればと思います。