男性の恋愛相談アドバイザーは罵倒しすぎる問題

こんにちは、トイアンナです。私はかつてモラハラの「加害者」だったことがあります。そんな自分を治したいと矯正プログラムの門を叩きましたが、驚くことに99%は男性限定。内容も見せてもらうと「アドバイザーが男性の行動を取り上げ一つずつ叱っていく」という、何が楽しくて参加するんだこんなプログラム……と思わせられるコンテンツでした。

その後、今度は女性向けのモラハラ・DV加害矯正プログラムも参加したのですがムードは真逆。「モラハラしてしまうほど酷い環境に育ったんでしょ」と優しい声をかけられ、絶句しました。

モラハラの事例ほど極端でなくても、男性の恋愛相談は雑に扱われがちだ、とアドバイスさせていただく側としても常々感じています。恋愛相談で女性が「モテないのはお前がデブだから」なんて恐ろしい言葉を浴びせられることはまずありませんが、男性向けでは普通にまかり通る。これでは相談する側も可愛そうです。

今回はなぜこのような自体が起こりうるのか、そして男性はどう恋愛相談と向き合えばいいのかについてお話します。

 

男性は加害者側に回りやすい

男性の方がストレスを与えられたとき、自分を責めるより誰かを傷つける方へ向かいやすい。これは犯罪の統計などで明らかです。

件数が多いということで、アドバイザーも「自分のアドバイスのせいで何か事件が起きたらどうしよう」と警戒します。たとえば女性から恋愛相談が来たとしましょう。「彼の態度からして、きっと彼もあなたのことが好きですよ」とアドバイスして刑事事件になるとは想像しづらいでしょう。

しかし男性からの相談へ「彼女の態度からして、きっと彼女もあなたのことが好きですよ」と男性へアドバイスして、万が一事件になったら困る……という心理が働きます。従って、「もし好かれてない場合は煙たがられるかもしれない。彼女が自分のことを好きか、○○でチェックしましょう」と慎重な意見が増えるのです。

特に顔や声で判断できないオンラインでの相談は、慎重なアドバイスが増えます。そして慎重なアドバイスは往々にして、男性に甘くないのです。

 

女性アドバイザーは被害経験の在庫がある

恋愛アドバイザーの多くは女性で、しかも主に女性から相談を受けています。そうすると出るわ出るわ恐ろしい被害の数々。しかも加害者男性はそれがDVやモラハラだと気づいていないことも多いのです。

男女ひっくり返して考えても、女性がDVと気付かず相手を無視したり殴ったりするケースはそうありません。従ってアドバイザーには「男性が加害者になった事例」が脳内記憶で大量の在庫を作っています。

☆実際には女性が「彼の携帯を見る」「ご飯でオゴりをいつも要求する」こともDVなのですが、このことはアドバイザー間にもあまり知られていません。

そうなると女性アドバイザーは「もし『彼女といつも長期間続かない』と相談してくれた男性が無自覚にDVやモラハラをしているのが原因だったら……!?」と言外の可能性を考えてしまいます。そして「こんな言葉で彼女を責めてるの? そりゃ嫌われますよ」と男性を一刀両断するアドバイスが増えてしまうのです。

 

恋愛相談に「加害者の自分」と「加害者じゃない自分」を考える

ですから、私のコラムも含めて恋愛相談を見るときは「自分がもし無自覚に女性を傷つけていたら」と想像してから読んでみましょう。もしかすると実際に傷つけているのかもしれません。それは、あなたが女性の何気ない一言に傷つくのと同じです。無意識に相手を傷つけて恋愛フラグを折っているなら、もったいないことです。

その次に「もし自分が加害者でも何でも無かったら」というパターンも考えながらアドバイスを読んでみてください。あなたに彼女ができないのは本当によく書かれているような「傲慢」で「気持ち悪い」「モラハラ」のせいでしょうか。

もしかすると単に出会いの数が少なかったり、自分を好きにならなそうな女性ばかり口説いていたりするせいかもしれません。1日に話しかける女性の数が0人なら、モラハラもへったくれもない。安心して話しかける練習から始めてほしいのです。

恋愛相談をすることで第三者目線を手に入れるのは大切なことです。その一方で、アドバイザーはあなたの過去や普段の生活も知らない他人であることも忘れないでください。アドバイスを真摯に受け止めるべきか悩んだときは、毒舌で信頼のおける友人にアドバイスを見せるといいでしょう。

男性の友達同士でストレートに恋愛相談をするのは気が引けるかもしれませんが、コラムのURLを貼って「これ笑って読んでたんだけど、冷静に考えて俺当てはまるくね?」とLINEを送るだけなら簡単です。自分を責め過ぎず、恋愛のアドバイスを有効活用していただければアドバイザー冥利です。少しでもいい恋愛に繋がりますよう、本気で祈ってます!