筋トレ自慢をしてもモテない!?今すぐできるモテの作法

高給時計やクルマに始まり、ナンパ術に包茎手術。「これさえあればモテる」と無垢な非モテへ信じさせる商品が生まれては、せっせと日本経済を回しています。くやしいのう、くやしいのう。

その中でも「これさえあればモテる」と広く信じられているブツの筆頭が筋肉です。マッチョになれば花粉に惹きつけられた虫のように女が寄ってくる。体力がつくから出世もできる。ストレス発散にメタボ解消。何にでも効く気がしてくる筋トレ教の摩訶不思議がここにはあります。

 

筋肉は女性より男性にモテる

しかし女性は10割10分がマッチョ好きではありません。ある調査によれば、好みの体型は「痩せ型派」か「細マッチョ」に大きく分かれ、さらに「ぽっちゃり」「身長だけこだわる派」まで広く分散しています。

貧乳や巨尻好きの男性がいるように、女性だって体の好みは様々。筋トレをしたからといってモテ菌をばらまくパンデミック野郎にはなれないのです。それなのになぜ、筋トレ教はモテを信頼したくなるのか。それは筋肉が男性にモテるからです。

ボディビルダーのような極端なマッチョでない限り、筋肉がついた男性はホモソーシャルでモテまくります。「触ってみろよ」「すげー!」なんて光景もよく見かけますし、それによって自信を得た男性が異性にモテることもあります。女性は自信のありそうな男性に惹かれるので「俺はモテるから選べる立場だぞ」と思っている人に惹かれやすい。

けれど、そこでモテているのがあなたの自信ではなく筋肉だと勘違いすると、大変な目にあいます。

 

無理やり触らせるのは筋肉ハラスメント?

女性のほとんどは筋トレに関心がありません。筋肉がついた結果自信を持っているあなたを素敵だとは思いますが、その製造過程はどうでもいい。

あなたが可愛い子に「このピアスは材質が○○で普通とは違ってね」とか「限定コスメが百貨店でしか売って無くて、その店員さんが言うには~」なんてトークをどうでもいいと感じるのと同じです。男女どちらも異性が美しくなる過程って、どうでもいいんです。

ですからうっかり「プロテインにこだわりがあってさ」などと語りだそうものなら彼女の心はシャットダウン。つまらない人認定を受けかねません。ましてや「俺の筋肉、触ってみる?」と質問しようものならボディタッチを要求しているのと同じ。会社の後輩に言おうものならセクハラ扱いを受ける可能性、結構あります。

かくいう私も今まで「俺の筋肉すごくない? 触らない?」と嫌がっているのに無理やり触らせられたことが数回あります。いずれも学校の先輩や会社の上役で断れませんでした。それがショックで現在は筋肉質の男性とは付き合えず、Twitterで筋肉をアップする男性はミュートで非表示に。恨むならハラスメントした人を恨んでください……。

 

異性に需要があるのは「私のおっぱい、すごくない?」だけ

男性の筋肉に匹敵する肉体美を女性で語るなら「私のおっぱい、すごくない?」になるかと思います。あれ? 男性は女性から「おっぱい触らない?」って言われたら嬉しくないか?と思ったでしょう。しかし女性社会でこんなことを言う野暮はいません。

筋肉は努力で増えますが、おっぱいで見違える差を作ろうと思ったら100万円ほどかけて整形せねばなりません(※1)。努力でどうにもならないことを自慢すれば女子会、いや女子界の平和が崩れますからおっぱいは同性へ自慢できないのです。では努力で痩せるダイエットは? これも体質的にふくよかな女性や、薬の副作用で苦しむ女性がいるからNGです。

従って女性の自慢するコンテンツはおっぱいより化粧やエステ、ひいては努力してゲットした彼氏の話題へ傾きます。化粧自慢、エステ自慢は聞かされても嬉しくないはず。女性にとって、男性の筋肉自慢はこれくらい退屈です。

※1 豊胸手術のお値段は高須クリニックの料金表を参照しました。「努力」で片付けられないくらい高いですよね。

 

モテたいなら「異性の努力した美容自慢」を聞き出そう

ところが、異性が美しくなろうと努力する過程を聞き出せる人は異様にモテます。たとえば筋肉自慢をすごいすごい!と褒めてくれる女性は男性からモテるはず。男女ひっくり返して、美容への努力を理解するだけでモテまくります。なにせ普段は女性同士にしか理解されない努力の結晶を、あなたとは共有できるのですから。化粧品を売っている男性美容部員はプライベートでたいそうモテるそうですが、それは普通の男性が退屈するような女性の美容に対する努力を理解できるからでしょう。

もしモテる男性に変わりたいなら、高価なブランドや筋肉自慢をするよりも「そのピアスめちゃくちゃ可愛いね。どこで見つけたの?」「髪型いいじゃん。どうやってサロン選んでるの?」と日頃から女性へ訊きましょう。早ければ明日からモテ期を実感できるはず。さっそく、女友達にお試しください。