浮気性の恋人を変えれば、そのときあなたは捨てられる。本当は浮気性でいてくれたほうが幸せなんじゃないですか?

こんにちは、トイアンナです。男性からの人生相談を受ける本シリーズ、今回は浮気性の彼女に変わって欲しい男性からのご相談です。

相談者: hatenattiさん
 

彼女の浮気癖が直りません。親の離婚、兄からのDVなど酷い家庭環境で育ったためか、彼女は他人から愛されることに飢えていると言います。環境の悪い家から逃げる意味もあって私の家に呼んで同棲している状態ですが、他の男の人には「彼氏と同棲している」とは中々言いたがりません。
私のことを好きだと言うし、その実感もそれなりにあります。そしてもし私に嫌われて追い出された場合、彼女には帰れる家も1人で生きていける力もありません。にもかかわらず、彼女は他の男にも好きだと言ったり、性行為を受け入れるような内容のやりとりをしています。私としてはやめてほしいのですが、どのような対策が有効でしょうか?

まずはご相談内容から重要な部分だけをまとめると、課題が明確になります。

***

<悩み>
彼女が浮気をやめてくれない

<現状のまとめ>
・彼女は家族から逃げるためhatenattiさんと同棲している。
・hatenattiさんのことを好きだと言ってくるし、自分も愛情を感じる。
・しかし他の男にも告白しているし、セックスしそう。
・彼女を追い出したら1人で生きていけそうにない。

<理想>
浮気をやめてhatenattiさんだけを愛してくれる彼女になってほしい。

***

まずは所感から。浮気性、という言葉がこれほど当てはまる方もめずらしいですね。彼女さんは「愛されることに飢えている」と堂々と言い訳してほかの男性へ好きだと言い、セックスをほのめかしています。浮気をする女性は少なくありませんが、彼氏へ浮気をここまで隠さない女性はレアです。彼女はおそらく嘘をついてはいません。むしろ、嘘をつくのが下手だからこそ堂々と浮気しているように見えます。

他人から愛されることに飢えているから、いろいろな男性の愛情に応えてしまう。この根本にあるのはhatenattiさんもご指摘の通り、親の離婚、兄からのDVなど酷い家庭環境で育ったことが原因かと思われます。

 

寂しさを解決するには専門家の力が必要

こういった寂しさから浮気に走っている彼女を変えたいのであれば、原因となっている寂しさを解決してあげるのが一番です。しかしhatenattiさんが寂しさを埋めようとしても意味がありません。この寂しさは「あのとき親にもっと愛されたかった」という過去のしこりから生まれたもの。小さい頃の骨折に今更ギプスを当てても意味がないように、心のケガをした当時へ感情をもう一度戻してからやり直す必要があります。

過去の寂しさを消化させるためには、専門家の力が欠かせません。現代の医療ではいくつもの寂しさを減らす方法が見つかっています。臨床心理士の力を借りて彼女を助けてあげてください。

その上で彼氏だからこそhatenattiさんにできるのは「ハズレの医療に当たってもめげずに彼女を次の場所へ連れて行く」ことです。精神医療は臨床心理士によって採用しているメソッドや相性もさまざま。美容師のように相性がピッタリの場所を探すためには根気が不可欠です。A院がダメだったからもう臨床心理士はダメだ、と諦めずに口コミなども探して最適なセラピストを探してください。

また、臨床心理士のセラピーは保険適用外になることもあります。その場合は彼女を金銭的に支援することも、hatenattiさんができる最大のサポートでしょう。

 

寂しさが無くなった彼女はあなたを捨てるかもしれない

といったところまでは一般的なアドバイスなのですが、実はhatenattiさんのように恋人の浮気性に悩む方は専門医療まで調べている可能性が高いものです。ではなぜ、ここまで調べた方の大半がパートナーを医療機関へ連れて行かないか。

寂しさを埋めてほしいがあまり恋人を求めるのは、いわば溺れる人がワラを掴むようなもの。流れてきたものなら木片でも紙くずでも掴んで、愛情を注がれたいのです。それほどまでに愛情に飢えている人がきちんとセラピーを受けて「私、自分で自分を愛してる。だから誰かから愛されなくても生きていける」となるまで立ち直れたとしましょう。

そのときhatenattiさんは十中八九、振られます。

現在hatenattiさんは「私のことを好きだと言うし、その実感もそれなりにあります」と語っていましたが、そうなら不安を隠しきれないのはなぜでしょうか? 本当は自分も手駒の一人にしか過ぎないのではないかと思っているのではないでしょうか。

その証拠に「私に嫌われて追い出された場合、彼女には帰れる家も1人で生きていける力もありません」と明記しています。hatenattiさんにとって、唯一他の男と自分を差別化できるポイントが同棲にしか見つからないからではないでしょうか?

 

振られてもいいと思えるなら愛の力で医療機関へ

もしhatenattiさんが彼女を心から愛しているなら、彼女をセラピーへ案内するのが一番です。けれど人間はそこまで利他的にはなれないでしょう。きっと理想は「自分だけを愛してくれる彼女になってほしい」だと思うのですが、それは実現しません。なぜなら、彼女はhatenattiさんも含め誰も愛していないからです。

彼女は、誰かを1人の人間として愛する余裕をまだ持っていません。hatenattiさんは彼女を愛情不足から引き上げることはできます。しかしそのとき感謝してもらえるか、愛してもらえるかは別問題です。人助けをするなら、愛情を見返りに求めてはいけません。

だからhatenattiさんにとっては、今が一番幸せなのではないでしょうか?彼女は愛情不足に苦しむ限り、hatenattiさんも含め、男性を片っ端から求め続けます。自分だけを選んではもらえませんが、決定的に裏切られることもないでしょう。hatenattiさんは自分が少しでも幸せを味わうため彼女を愛情不足の川に溺れさせておくか、彼女を救って自分は振られてもいいと覚悟するかの2択を選ばざるを得ないのです。